桜井市
天理市の南隣の桜井市に着きました。JR・近鉄桜井駅から、電車に6分ほど乗って長谷寺駅に向かいましょう。ここは、奈良観光でも人気の高い長谷寺の最寄り駅です。駅からお寺までは急な階段または坂道で下りてしばらく歩くことになりますが、門前町が発展しているので、散策するのも楽しいです。
長谷寺には、このような屋根の付いた階段の登廊(のぼりろう)が長く続いているのが特徴です。こちらからは、春にボタンが、初夏にアジサイが、そして秋には美しい紅葉が眺められるので、四季折々に訪れてみたいものです。
登廊を登ると、本堂に着きます。こちらには、ご本尊の十一面観世音菩薩が祀られています。室町時代の天文7年(1538年)に造られたこの仏像は、高さ約10メートルほどあり、木造のものとしてはものとしては国内最大と言われています。
本堂には、京都の清水寺にあるような舞台が見られます。こちらからは、境内の五重塔などの建物や門前町、周辺の山々まで眺められます。秋の紅葉や春の新緑の時季は、特に美しいです。
橿原市
桜井市の西隣にある橿原市に着きました。人口は約12万人を数え、奈良市に次ぐ県下第二の都市でもあります。
近鉄の大和八木(やまとやぎ)駅は、京都や大阪市内、三重県の津市や伊勢志摩、愛知県の名古屋へ向かう電車も出ている交通の要衝です。駅前には百貨店や企業の支店が立ち並び、小さいながらも居酒屋が軒を連ねる歓楽街もあります。
市内には、観光名所も点在しています。まずは、電車で3つ目の橿原神宮前駅(かしはらじんぐうまええき)に向かいましょう。こちらには、我が国の初代天皇とされる神武天皇とその皇后をお祀りしている神社「橿原神宮」があります。
大和三山の一つ、畝傍山(うねびやま)の山麓の約50万平方メートルという広大な敷地に、長い参道が続き、檜皮葺の本殿や神楽殿が配置されています。お正月の初詣の際には、非常に多くの人でにぎわいますが、普段は緑の多い境内をゆっくり散策することができます。
神社の厳かな雰囲気を感じながら参拝したら、南側にある深田池で休憩しましょう。遊歩道、休憩スペースもあり、ほっと一息つくことができます。池で泳ぐ水鳥を見たり、遠くに見える葛城山系の山々を眺めたりすると、癒されるでしょう。
少し北に戻って、お花の鑑賞をしてみましょう。橿原市郊外の本薬師寺跡周辺には、初夏から秋にかけて、水草のホテイアオイが薄紫の可憐な花を咲かせます。
地元の小学生や地域の方々によって休耕田に植えられたもので、近年ではちょっとした観光スポットになっており、写真を撮りに訪れる人も多いです。蒸し暑い時期に咲く薄紫色の花は、とても涼し気です。
御所市(ごせし)
さて、橿原市の南にある御所市にやってきました。人口は約25,000人と、県内の市では最も少ないですが、大阪府にまたがる葛城山、金剛山をはじめとする豊かな自然と、歴史ある社寺、文化財に恵まれた街です。
葛城山麓にある雰囲気の良い神社を訪れてみましょう。葛城一言主神社(かつらぎひとことぬしじんじゃ)は、葛城山の東の麓にある神社で、ご祭神には、当地で姿を現したとされる一言主大神、第二一代雄略天皇が祀られているとされます。
一言であれば、どんな願いでも聴いてくださる神様として信仰される静かな神社は、週末を中心に遠くからも参拝に訪れる人が見られます。
境内からは、田畑が点在する御所市郊外ののどかな風景が楽しめます。ベンチもあるので、少し休憩して次に向かいましょう。
五條市北部
五條市は、奈良盆地の南に位置する人口約28,000人の街です。奈良と和歌山の境にあるため、古くから交通の要衝として栄えた地域で、今でも南和と呼ばれる奈良県南部の中心都市となっています。
飲食店やスーパーが集まる国道24号から少し南に入ってみると、新町通り(しんまちどおり)と呼ばれる旧街道が現れます。伊勢街道や紀州街道などが交差するこの地区は、古くから人や物資の往来とともに栄えてきた街です。
車一台がやっと通れるほどの道沿いには、江戸から昭和初期にかけて建てられた町家が現在でも残っており、ゆっくりと眺めながら歩くことができます。古民家を改装したレストランや古くから続く餅屋、カフェもありますよ。
新町通りの散策が済んだら、国道24号線を西に向かいましょう。お隣和歌山県橋本市に近い上野町(こうずけちょう)には、夏にたくさんのひまわりが咲く畑があります。上野公園の駐車場に車を停めて、道路を渡りましょう。
畑には、9万本ほどのひまわりが植えられており、毎年7月下旬頃から見頃となります。周辺ののどかな風景に、ひまわりの鮮やかな黄色い花が映え、多くの人がカメラを向けています。すぐそばを、和歌山線の列車が一時間に2回ほど通るため、この時を狙って撮影する人も多いですよ。