今回は、奈良県の観光地をぐるっとご紹介します。どこかへお出かけしたり、旅行したいと思ってもなかなかできないときもあるものです。長年奈良県に住んでいる筆者とともに、奈良県を巡り、自宅で旅行気分を味わってみませんか?
奈良県を巡ろう!まずは文化財も多い北西部から
奈良市
まずは奈良市から巡りましょう。奈良市は、奈良県の県庁所在地で、約35万人が住んでいる都市です。市内中心部には、多くの企業の営業所、支店のほか、商業施設などが立ち並んでいます。
市内には、歴史的な建築物や文化財も多いため、古くから観光都市として栄えているのも特徴です。特に奈良公園内には、奈良の大仏で有名な東大寺、約50メートルの高さを誇る五重塔がシンボルの興福寺、全国にある春日神社の総本社で、初詣客も多く訪れる春日大社などの有名社寺が点在しています。
興福寺五重塔が見える猿沢池を通って、古い町並みを見に行きましょう。元興寺の旧境内を中心とした「ならまち」と呼ばれる地区には、江戸時代から明治時代の町屋がずらりと立ち並んでいます。
狭い路地が迷路のように続きますが、飲食店やカフェ、資料館もあり、散策を楽しむ人が多く見られます。
造り酒屋の今西清兵衛(いまにしせいべえ)商店にちょっと寄っていきましょう。清酒発祥の地とされる奈良で、明治時代から日本酒を醸している蔵です。主要な銘柄は「春鹿」で、辛口ながら旨味のある味わいです。
店内では、このお酒が購入できるほか、試飲をすることもできます。有料ですが、数種類のお酒が味わえるうえに、それぞれの特徴を蔵の人が説明してくれるので、観光客に人気です。
生駒市
奈良市から西へ移動し、生駒市に着きました。お隣大阪のベッドタウンとして栄えてきた街で、市内には新興住宅地が広がります。
大阪との府県境にある標高642メートルの生駒山は、生駒市のシンボル的存在です。山頂まではケーブルカーで登ることができます。
ケーブルカーは麓から生駒山中腹までの「宝山寺線」、中腹から山頂までの「山上線」に分かれています。しばらく眼下に広がる生駒市街を眺めながら乗車したら、宝山寺駅で降りてみましょう。
こちらには、延宝6年(1678年)に湛海が開いたとされる歴史ある寺院「宝山寺」があります。大きな岩盤が背後に切り立つ境内には、ご本尊の不動明王を祀る本堂、聖天堂、多宝塔などの建築物が立ち並んでいます。
宝山寺の参道には、古くからいくつもの旅館が立ち並んでいました。今でも旅館街であった当時の雰囲気が残っていますが、一部はカフェなどに改装されています。これらのお店からは、生駒市や隣の奈良市を一望する素晴らしい景色が楽しめます。
さて、宝山寺を散策したら、山上線に乗り換えてもう少しケーブルカーで登りましょう。トンネルをくぐり、急な勾配を進めば山頂です。
こちらには、1929年(昭和4年)に開業した、生駒山上遊園地があります。園内の遊具は子ども向きとなっており、週末などには家族連れが多く訪れています。
人気の「飛行塔」は、ぜひ乗ってみたい乗り物です。ワイヤーで吊られた飛行機が上昇し、その後ゆっくりと塔の周りを回るのですが、ここからは奈良盆地や大阪平野が良く見えるので、とても気持ちが良いものです。
平群町(へぐりちょう)
生駒市から南下すると、平群町です。こちらも大阪のベッドタウンとなっており、静かな住宅地が点在していますが、田畑も多くのどかな雰囲気です。
町内を南北に貫く国道168号線沿いには、道の駅大和路へぐり「くまがしステーション」があり、休日などにはドライブ途中に立ち寄る人が多いです。館内では、地元の特産品のほか、新鮮な野菜や果物が購入できます。レストランでは、地元で獲れた野菜を使ったランチがいただけます。
大和郡山市
平群町から東の方向に進むと、大和郡山市に入ります。戦国時代の武将の筒井順慶が、郡山城に入った頃から城下町が発展してきた歴史ある街で、人口は約85,000人です。
近鉄郡山駅のそばにある郡山城跡には、天守閣こそありませんが、石垣や堀が残されています。また、近年には櫓や門も復元されたため、よりお城らしさが感じられるようになりました。春には城内に多数の桜が咲き、たくさんの人がお花見に訪れます。
市内を歩けば、風情ある城下町の雰囲気が感じられます。また、大和郡山は江戸時代から金魚の養殖がおこなわれていたため、郊外には養殖池が多く見られます。
街角やカフェでも、金魚が水槽を泳いでいる姿を見ることができるほか、金魚グッズを買い求めたり、金魚すくい体験ができるお店もあります。
天理市から桜井市
大和郡山市から東に進むと、天理市です。この街は、天理教という宗教とともに発展した街で、市名の由来にもなっている珍しい都市です。市内を歩くと、天理教の大型建物が立ち並んでおり、独特の雰囲気を感じることができるでしょう。
天理市の平野部東側には、日本最古の道路と言われる山の辺の道(やまのべのみち)が通っています。奈良市から桜井市までがこの山の辺の道ですが、昔の雰囲気を残す天理駅から桜井駅あたりの区間が、ハイキングコースとして親しまれています。
途中には神社や茶屋などもあり、のどかな景色を眺めながら歩くのは心地よいものです。写真のお店はお隣桜井市にあるのですが、夏にかき氷も提供していましたよ。