社会保険の扶養に入るメリット

(写真=PIXTA)

妻が勤務先の社会保険に加入するための要件に該当しないときや仕事を辞めたときは、本来、国民健康保険・国民年金保険に加入し保険料を納めることになります。しかし、夫の扶養に入ることで、国民健康保険・国民年金保険に加入する必要がなくなるため、妻の保険料の負担はなく、夫の保険料のみで妻も保障を受けることができます。

ちなみにぎりぎりで壁を超えてしまった場合、130万円の壁のときは約18万6000円(年間)、106万円の壁では約14万9000円(年間)を健康保険料と厚生年金保険料として妻自身が支払うことになります。

必要書類と手続きについて

夫の扶養に入るときは、夫の勤務先である会社に書類を提出し手続きをします。加入している健康保険の種類(協会けんぽ・組合健保・共済組合など)により多少異なりますが、協会けんぽの場合、以下のような手続きが必要です。なお、事情によっては追加書類が必要なこともあるので、事前に勤務先へ確認するとよいでしょう。

  • 提出時期……「扶養に入る」事実が発生してから5日以内
  • 必要書類
    1) 健康保険被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者関係届
    2) 添付書類
  • 続柄確認のための書類……夫の戸籍謄本(夫との続柄が分かるもの)
    夫の住民票(夫が世帯主で妻と統一世帯である場合に限る)
  • 退職したことにより収入要件を満たす場合……退職証明または雇用保険被保険者離職票の写しなど

扶養に入るデメリットも知っておく

収入などの条件を満たすことにより「扶養に入る」と妻自身の保険料がかからないなどメリットもありますが、扶養に入ったときの妻の年金は国民年金のみの加入となります。そのため将来もらえる年金額は妻自ら社会保険に加入しているときに比べ低くなることも知っておくべきです。

健康保険では、病気やけがで働けないときに支給される傷病手当金や出産のため仕事を休んだときに支給される出産手当金がありません。扶養に入ったほうが必ずしも得とは言い切れないケースもあるため、仕事を続ける、辞める、パートで働くといった選択をする際には目の前の保険料のことだけでなく、将来のライフプランを見据えて決めるとよいでしょう。

文・田中友加(ファイナンシャル・プランナー、FPリファイン代表)/DAILY ANDS

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