意外な結果?「賃貸」と「購入」の生涯費用を比較

(写真=OlegDoroshin/Shutterstock.com)

賃貸と購入では、生涯費用にどれくらい大きな違いがあるのでしょうか。実際にシミュレーションしてみましょう。

  • 35歳から80歳までの45年間で賃貸と購入を比較
  • マンションに居住すると仮定
  • 購入の場合、住宅ローンフラット35を契約

賃貸・・・・・・マンション家賃10万円の場合

(4回の引越しをすると仮定)

  • 家賃:5400万円
  • 入居初期費用(引越し回数分):約80万円
  • 賃貸更新料:約200万円
  • 引越し費用:約60万円
  • 合計の支払い額=5740万円

購入・・・・・・マンションの金額3500万円の場合

(35年ローン 金利1.45% 元利均等払い ボーナス・頭金なし)

  • 返済総額:4465万円
  • 購入諸経費:約200万円
  • 維持管理・税金など:約1800万円
  • 途中リフォーム費用:約500万円
  • 合計の支払い額=約6965万円 購入の場合は、税制優遇があることを想定すると、10年間の住宅ローン控除を利用できます。購入の支払い総額から10年間の住宅ローン控除280万円を差し引くと、6685万円になります。

    購入:6685万円
    賃貸:5740万円

    シミュレーションの結果は、賃貸のほうが総額として低くなりました。ただし、あくまで例として比較したものであり、購入の条件や家賃の条件が変われば、結果も変わる可能性があります。

    購入の場合、所有している間にどのくらいの維持費やリフォームが必要となるかは一概には想定できない面がありますので、参考として捉えておいてください。

    一般的には、住む期間が短くなるほど賃貸のほうが費用を抑えられ、期間が長くなればなるほど、購入のほうが費用を抑えられる逆転現象になるといわれています。

    生涯費用に視点を向けると、ある一定の期間までは賃貸のほうが総支払い額は有利に見えますが、購入でも賃貸でも、それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にはどちらが優位と決めることは難しいものです。

    「賃貸でよかった!」と思える便利なこと

(写真=L Julia/Shutterstock.com)

持ち家に憧れを持っている方は多いようですが、じつは賃貸にしかない便利なこともあります。ここからは、「賃貸でよかった!」と思えることにスポットを当てて紹介します。

転勤・転職したら気軽に引越しできる

転勤や転職した場合、賃貸なら通勤に便利なエリアに住まいを替えることが容易にできます。家を購入している場合は、通勤時間や交通費が余分にかかってしまうことになります。

やむなく購入した家から離れなくてはいけない場合も、すぐに売れるとは限らず、賃貸に出すことも簡単ではない場合があり、身動きができなくなってしまう可能性もあります。