チェック② ローン負担は大きすぎないか?

資産に対して借金の割合が大きすぎるとイザというとき大変になる。「負債(右側上段)÷資産(左側)×100」で分析したい。上記例では、「負債2700万円÷資産4500万円×100=60%」となる。つまりローン残高よりも持っている資産が大きいため万が一のときにはマイホームや自動車を売却すればローンは完済できるということだ。この比率が100%を超えるようであれば早急に改善が必要だ。

優先すべき改善策は、ローン残高を減らすことだ。その方法としては、①処分できる資産があれば売却してローン返済に充てる、②毎月の返済額を引上げて元金の減り方を早める、③低金利のローンに借換えをするなどが考えられる。さらに節約をして現預金を増やしたり運用で収益性を高めたりする努力をしたい。

チェック③ 資産が多ければ良いのか?

資産(左側)だけを見てみよう。資産が多ければ良いかというとそうではない。中身が大切だ。なぜならマイホームなどの「物」に比べて「現預金」が極端に少ないと急な出費に対処できないからだ。極端な例を示すと、資産は1億円あるがその内訳はマイホームや自動車が9900万円、現預金が100万円という状態だ。これでは急な出費に対処しにくい。

資産に占める流動資産の割合は「流動資産(左側の一部分)÷資産(左側)×100」で確認できる。数値が高いほど現金化しやすい資産が多いことを示す。具体的に何パーセントであれば良いかは家計が今後どのような資金を必要とするかによる。例えば、学資金がかかる時期が近ければ流動資産を高めるような準備をしておきたい。

合わせてライフプランも考える

このようにバランスシートを使って家計を眺めるといろいろな角度から簡単に家計の健全性などをチェックできる。毎年一回決まった時期に作成すると過去からの変化がわかるためより良い改善策が生まれてくるだろう。

最後に留意点がある。バランスシートにはローンの利息額や利子・配当金は表れてこない。そのため住宅ローンの繰上げ返済や金利変動による利息額の変化、または運用環境の変化で収益性がどう変わるのかなど、これらを加味した未来の家計シミュレーションには、専門家に相談していただきたい。

文・中谷俊雄( FPオフィスライズ代表)/ZUU online

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