高額商品をタックスシェルターに

タックスシェルターとは、富裕層のために作られた節税のための金融商品やサービスを言う。企業の利益が一時的な特需などで伸びた場合、毎年の税金を平均化するために、設備投資や宣伝広告費を増やすことである程度の利益の圧縮は可能。その延長線上にタックスシェルターを使った節税方法がある。

単価の高い大きな資産を購入して、経費を減価償却として複数年で落とせることがタックスシェルターの基本だ。たとえば、航空機やヨットなどをリースで購入して貸し出す。商業用不動産を購入し賃貸する。金額が大きい上、償却期間が長いので課税所得を数年に分散できるため節税効果が大きい。

芸能人や富裕層が、競走馬を買うのも、趣味でありロマンといった側面もあるが、競走馬の経費が4年間の減価償却として認められていることもあるだろう。高額な自動車の購入も同じような効果がある。

生命保険も節税効果が大

タックスシェルターとしての生命保険(法人保険)も有力だ。生命保険のタイプにもよるが、生命保険料の全額が損金として費用に計上することが認められるため、会社の利益が想定以上に大きく出たときに保険に入ることで利益を圧縮することができる。経営者に万一のことがあった際の備えとして、解約返戻金を当てることもできる。

次の話は法人ではなく個人のはなし。相続税を安くするための生命保険もある。相続税は、死亡した時点での財産評価額が基準になる。生命保険は、本人が保険の対象となっていれば、保険金額が相続税の対象になる。家族など他人を対象にして保険に加入し、受取人が本人となっていた場合は、死亡した時点での保険の解約返戻金が相続税の対象となる。したがって、満期までほとんど解約返戻金がないような保険に他人名義で入っていれば節税効果は大きい。ただ満期まで達してしまえば効果はなく、保険を払い始めてすぐに亡くなった場合も節税効果は少ない。

孫養子による究極の所得税節税

相続税対策として、資産家が孫を養子にする方法がクローズアップされている。孫は通常であれば法定相続人でない。子供を経由して孫に遺産を相続した場合、相続税や贈与税が複数回かかることになる。そのため、富裕層は孫を養子にしてしまうのだ。養子ならば法定相続人になる。法定相続人が多いほど、相続税の基礎控除額が増え、納税額が減る。2015年の相続税増税以降こういった例がかなり増えてきているようだ。

以上、法律の盲点をつく合法な節税手段を紹介してきた。なお、それぞれの手段には一長一短が存在するため、実際の利用時には税理士などの税の専門家に相談した上で利用を検討していただきたい。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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