「老後」をなくす準備を早めにしておく
大江氏は、老後の不安をなくすには、「老後」をなくせばよいといいます。つまり、生涯現役で働き続けると、老後につきまとう不安である「貧困」「病気」「孤独」が解消されるからです。
そして、生涯現役には、「再雇用」「転職」「起業」といった3つの選択があります。定年してから次のことを考えるのではなく、40~50代のうちに、自身のスタンスの修正や人脈づくり、新しい仕事の適性など、次のステージに向けてふまえた行動をしておくことが大切なようです。
例として、定年夫婦の家計赤字は、平均で年100万円であるといいます。つまり、65歳の時点で、月約8万円稼げる仕事があれば、ぐっとハードルが下がると井戸氏もいいます。シングル女性も、定年後に働ける環境を40代のうちからシミュレーションしておき、70歳まで働いていれば、それだけの資産を持っていることと同じであるといえるのです。
病気と介護にかかるお金の実際とは
井戸氏は、医療と介護にかかるお金は、ひとりあたり800万円あれば、ある程度のサービスを受けつつ息をひきとれるのではないかといいます。特に介護は、女性の人生においては三度あります。第一の介護は親、第二の介護は既婚者の場合は夫、そして第三の介護は自分自身の介護です。特に、最後の介護は、自分のためにも必要なお金をしっかりと試算しておくことが必要です。
また、終末期まで過ごせる介護施設は、公的なものと民間のものに分けられます。民間の有料老人ホームとなると、入居から終末期まで、介護保険を使っても自己負担分は総額で1500万~3000万円になります。
できる限り、健康な体で人の手を借りずに長く生きられるように、体調管理に気をつけておくことも、貧乏老後を防ぐひとつになるようです。
実態を把握して、老後不安のもとを解消しておく
どんな不安にも共通することですが、実態をしっかりと把握できていると、打てる対策がクリアに分かり、将来に対してやみくもに不安になることはないのかもしれません。
老後にむける心構えを持ちながら、今からできる具体的な対策を打って、アクティブな定年後を迎えたいものですね。
文・ナカセコ エミコ((株)FILAGE(フィラージュ)代表)/DAILY ANDS
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