その場に姿のない「もう一人の娘」

他に保有の保険証券について、同じように必要があれば名義変更などの手続きを行うことを助言しましたところ、今はあまり見ることのない養老保険を2つお持ちでした。

契約者は父親、被保険者と満期金受取人は「娘2人」となっていました。

筆者は思わず「妹さんがいらっしゃるのですか?」と、その場に姿のない、「もう一人の娘」についてお聞きしました。

その瞬間、相談者の顔が曇ります。

「お父さんが娘二人の花嫁衣裳代に、って、昔からコツコツ積み立ててきたの」。お母様が相談者の横で、加入の経緯を伝えていました。

2人の娘それぞれを保険金受取人に

聞けば「もう一人の娘」は何年も前に、恋仲になった男性と一緒になる為に家を出て、正月も盆も帰ってこず、父親が今の身体状態になっていることを伝えても、一向に実家には帰ってこないとのこと。

現在、高齢の両親を支えているのが今回のご相談者(長女)。手伝いどころか顔も出さず、感謝の言葉もない妹に、相談者はとても腹を立てている様子でした。

筆者は、契約者である父親の身体状況を鑑みて、2つの養老保険の「契約者及び死亡保険受取人の名義変更」を助言したのですが、結果として、契約者であるお父様は、2人の娘それぞれを保険金受取人にされました。

妹から思いもよらない連絡

その後、音信不通だった妹さんから筆者のもとに思いもよらない連絡が入りました。(後編に続く)

【これまでの相談事例はこちらから】

文・佐々木 愛子(ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員二種、相続診断士)/DAILY ANDS

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