旧「One Tap BUY」は、2021年2月1日に「PayPay証券」となりました。もともとミニ株(単元未満株)で評判の証券会社ですが、社名が変わっても魅力は変わっていません。特に投資初心者にも好評のようです。FP目線でもおすすめの証券会社と言えます。

どうしてPayPay証券は投資初心者におすすめなのでしょうか。PayPay証券の仕組みやメリットから考えてみましょう。また、PayPay証券の口コミ・評判も紹介するので併せてチェックしてみてください。

PayPay証券(One Tap BUY)とはどんな証券会社?

PayPay証券は、ソフトバンクグループ傘下の「PayPay株式会社」が運営している証券会社です。2016年に日本で初めてスマートフォンでの株式取引に特化した「スマホ証券」として誕生しました。

PayPay証券によると、サービス利用者の53.3%が20~30代の方で、62.2%は「投資経験なし」の方が占めています(2020年7月時点)。投資デビューの口座として、特に若い方に選ばれているようですね。

少ない金額で株式取引ができる仕組みになっていて、口座数は2020年12月時点で約15万2,000口座、アプリダウンロード数は180万を突破しています。

2021年2月10日には、投資の疑似体験サービス「ボーナス運用」の利用者が業界最速で200万を超えるなど注目の証券会社です。

PayPay証券でミニ株(単元未満株)を始めるメリット

通常よりも小さい単位で株式取引できるサービスを「ミニ株」、あるいは「単元未満株」と呼びますが、PayPay証券もこのようなサービスを行っています。

【「ミニ株」と「単元未満株」の違い】
2018年10月以降、日本の株式の取引は1単元100株で行われています。一般的に100株に満たない株数を「単元未満株」と呼び、その中でも特に10株単位で取引できるサービスを「ミニ株」と呼びます。さらに1株単位で取引できるサービスを、特に単元未満株と呼ぶこともあります。
PayPay証券は1,000円単位で購入することができるため、1株未満(小数点以下)の株数の取引も可能です。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

出典:日本取引所グループ「売買単位の統一」

PayPay証券で「ミニ株」や「単元未満株」を始めるメリットを3つ確認しましょう。

1,000円の少額から米国と日本の株式に投資できる

PayPay証券では、1,000円単位で米国と日本の株式に投資ができます。

本来、株価が高い銘柄への投資はまとまった金額が必要です。そのため投資したい銘柄を見つけても資金面からあきらめなければならないケースがありました。

しかしPayPay証券であれば、たとえ株価が高い銘柄でも1,000円単位で投資が可能です。まとまった資金が用意できない方でも投資をあきらめる必要がない点は魅力といえるでしょう。

・小数点以下の株式に投資できる仕組み
そもそも100株単位取引の売買は、証券取引所のルールです。そのためどの証券会社であっても直接証券取引所で取引する場合は、100株単位で取引しないといけません。

しかしPayPay証券の場合、証券取引所の取引ではなくPayPay証券が仕入れた株式をPayPay証券ユーザーが購入する仕組みとなっています。そのため、PayPay証券は100株単位取引のルールにしばられていないのです。

PayPay証券は「購入金額÷株価」で購入できる株数を計算し、少数第5位までの株数を割り当てます。米国株式における株数の算出式は「購入金額÷為替レート÷株価」です。

【例)株価1万円の日本株式に投資】
・1,000円分投資する場合:1,000円÷1万円=0.1株が割り当て
・3,000円分投資する場合:3,000円÷1万円=0.3株が割り当て

【例)株価1,000米ドルの米国株式に投資(為替レート=100円の場合)】
・1,000円分投資する場合:1,000円÷100円÷1,000米ドル=0.01株が割り当て
・3,000円分投資する場合:3,000円÷100円÷1,000米ドル=0.03株が割り当て

少額の取引手数料が安い

PayPay証券には、最低手数料がありません。少額投資でも手数料が割高にならない点は、大きなメリットです。

ミニ株や単元未満株を売買する際、証券会社によっては最低手数料の設定があるケースがあります。しかし最低手数料が設定されていると、少額取引で手数料が割高になってしまうケースもあるため、注意が必要です。

【最低手数料で割高になる例】
条件:手数料0.5%(最低手数料50円)

・1,000円投資する場合
1,000円×0.5%=5円
※最低手数料50円に満たないので50円が適用

1,000円の投資で手数料が50円だと手数料率は5%

その点、PayPay証券なら手数料を安く抑えることができると言えるでしょう。

優良銘柄に限定されている

PayPay証券は、取り扱い銘柄が優良銘柄に限定されています。

銘柄選びをしたことがない初心者でも簡単に優良銘柄へ投資できる点も、PayPay証券のメリットです。

PayPay証券(One Tap BUY)の口コミをチェック!

PayPay証券のメリットを紹介しましたが、実際にPayPay証券を使っている人の口コミを見てみましょう。

初心者向けかな

★★★★★

以前から株やFXなどの投資に興味を持っていましたが、「投資」とは軍資金が多い人だけができるものだと思っていました。しかしPayPay証券なら有名企業の株を購入でき、株価の上昇などによるドキドキ感を味わうことができます。初心者の方が勉強する意味合いでも、とても便利なサービスだと思います。

20代・男性

他と大きな違いがある

★★★★

PayPay証券は日本株だけではなくアメリカ株も投資できます。ここが単元未満株の取り引きを行っている、他の多くのインターネット証券との違いです。この証券会社は「アメリカ株に投資したい」と考えている意識高い系の人のニーズにも答えていると思います。

20代・男性

投資経験ゼロでも使いやすい

★★★★★

おすすめな点が3つあります。1つ目は、1,000円から株式投資ができるという点。2つ目は、スマートフォンでの操作が簡単で、投資経験のない方でも安心して使用することができる点です。3つ目は、アマゾンやアップルなどの米国株であっても24時間365日投資できる点です。これは他のネット証券にはないことだと思います。

20代・女性

趣味のひとつ

★★★★

この証券会社の魅力は、株を始めるにあたっての「ハードルの低さ」です。最初の個人情報の入力、本人確認書類の撮影などをやってしまえば、あとは書留の郵便を受け取り、銀行で振込み作業を終えるだけで、いつでも手元のスマホで株の取引きができます。趣味として向き合えば、平日に繰り返される株の値動きを見るのが楽しみの1つになりそうです

30代・女性

投資を行うためのハードルが低い

★★★★★

PayPay証券の最低投資金額は1,000円という手軽さです。スマホのみで完結する口座開設手続きや、購入時の入力項目の削減など、煩わしい手続き面も簡略化されています。アプリもスマホ専用のわかりやすいUI(ユーザーインターフェイス)が採用されているので、投資初心者でも様々な投資情報を直感的に把握できるように工夫されています。

30代・男性

1,000円から株式が買えるのが良い

★★★★★

ここを利用したきっかけは、1,000円から株式が買えるという点です。しかも日本株だけでなく米国株も買えるというところに魅力を感じました。ミニ株を日本株だけでなく米国株も買えるというのは、個人的にはかなり魅力を感じています。また、開場時間外でも注文できる点も気に入っています。約定は開場時間中となりますが、注文は開場時間でなくても行えるようになっています。

40代・男性

PayPay証券のミニ株(単元未満株) 取り扱い銘柄

PayPay証券の取り扱い銘柄は、優良銘柄に限定されていると紹介しましたが、どれくらいの取り扱い数があるのでしょうか。

PayPay証券の取り扱い銘柄数をご紹介します。

日本上場銘柄 全158銘柄

PayPay証券が取り扱う日本上場銘柄は、個別株式のほか「ETF(上場投資信託)」と「REIT(不動産投資信託)」を含めると158銘柄あります。

銘柄の例
個別株式 150銘柄 ・トヨタ自動車
・ソフトバンクグループ
・三菱商事
ETF 4銘柄 ・日経225連動型上場投資信託
・日経平均インバースETF
REIT 4銘柄 ・日本ビルファンド法人
・野村不動産マスターファンド投資法人
※2021年4月6日確認時点の情報です。

【「ETF」&「REIT」の概要】
「ETF(上場投資信託)」は、証券取引所に上場しているため株式と同じように取引できる投資信託です。原則複数の銘柄で運用されるので一つのETFを購入すれば分散投資ができます。
「REIT(不動産投資信託)」も投資信託の一種です。商業ビルなどの不動産で運用されています。賃料などが収益源でETFや株式と同様に取引できます。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

米国上場銘柄 全161銘柄

PayPay証券が取り扱う米国上場銘柄は、全部で161銘柄です。個別株式134銘柄のほか、ETFも25銘柄と豊富に取り扱っています。

銘柄の例
個別株式 134銘柄 ・アップル
・マイクロソフト
・ウォルトディズニー
ETF 25銘柄 ・SPDR S&P500
・バンガード・米国増配株式ETF
REIT 2銘柄 ・エイリスキャピタル
・メインストリート
※2021年4月6日確認時点の情報です。

【BDCの概要】
「BDC(専業開発会社)」は、将来有望な中堅企業に投融資する企業で投融資から得られた収益の大部分を投資家に分配します。株式と同じような取引が可能です。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

PayPay証券のミニ株(単元未満株) 取引時間と手数料

PayPay証券の取引は「スプレッド」と呼ばれる実質的な手数料 がかかります。取引時間によって異なるので取引時間と手数料を確認しましょう。

日本上場銘柄 

まずは、日本に上場している銘柄の取引時間と手数料 について確認しましょう。

✔︎取引時間 9:00~14:59
PayPay証券では、9:00~14:59の間で取引可能 です。証券取引所の昼休み(11:30~12:30)の間も取引可能ですが取引終了時間が取引所より1分早い点には注意しましょう。

✔︎手数料 0.5%or1.0%
手数料(スプレッド)率は、以下の通りです。証券取引所が昼休みの時間帯は、手数料が高くなる 点に注意しましょう。

取引時間 手数料
9:00~11:30
12:30~14:59
0.5%
11:30~12:30 1.0%

【スプレッドについて】
「スプレッド」は、買いの場合は株価に上乗せされ売りの場合は差し引かれます。
例えば株価1,000円の株をスプレッド0.5%で取引する場合、買いの場合は1,005円、売りの場合は995円の取引となります。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

米国上場銘柄

次に米国に上場している銘柄の取引時間について確認しましょう。

✔︎取引時間 24時間取引OK
PayPay証券の場合、米国上場銘柄は24時間取引できます。時差を気にせず取引できるのは、便利ですね。

✔︎手数料 0.5%or0.7%
手数料(スプレッド)率は、以下の通りです。米国上場銘柄の場合も手数料が高くなる時間帯があるので注意しましょう。

取引時間(日本時間) 手数料
23:30~6:00
(夏時間 22:30~5:00)
0.5%
上記以外の時間帯 0.7%

✔︎為替手数料 35銭
米国上場銘柄の場合、取引に別途「為替手数料」が1米ドルあたり>35銭(0.35円)

例えば1米ドル=100円のとき買いは100.35円、売りは99.65円の取引となります。

PayPay証券のミニ株(単元未満株) 他ネット証券と比較

PayPay証券のミニ株(単元未満株)を他社のネット証券の同様のサービスと比較してみましょう。ETFなどは除き個別の株式だけで比較します。

日本株式の比較

「SBI証券」「マネックス証券」「auカブコム証券」は、日本株式の単元未満株(1株単位)のサービスを提供しています。PayPay証券と比較すると以下のようになりました。

取り扱い銘柄
(買いと売り両方
可能な銘柄)
当日の取引に
間に合う時間
手数料
PayPay証券 150銘柄 14:59まで
(リアルタイム)
0.5% or 1.0%
SBI証券
(S株)
3,719銘柄
(東証)
13:30まで
(終値で成立)
0.55%
最低手数料:55円
マネックス証券
(ワン株)
3,784銘柄
(東証+名証)
11:30まで
(午後始値で成立)
0.55%
最低手数料:52円
auカブコム証券
(プチ株)
3,784銘柄
(東証+名証)
10:00まで
(午後始値で成立)
0.55%
最低手数料:52円
※東証と名証の銘柄数は2021年3月18日時点。名証は単独上場会社のみ

PayPay証券は、取り扱いを優良銘柄に絞っているため、取引できる銘柄数は最も少なくなりました。

手数料に関しては、証券取引所のお昼休みの時間帯は1%となるため注意が必要です。しかしそれ以外の時間帯では、PayPay証券のほうが安くなるでしょう。

注目したいのは、当日の取引に間に合う時間です。PayPay証券は、リアルタイムで取引が成立しますがほか3社は注文を早めに締め切りその日最後に付いた値段(終値)などで取引が成立します。

注文と取引成立までのタイムラグがない点は、PayPay証券の強み といえそうです。

米国株式

先ほどの3社のうち「auカブコム証券」は、米国株式の取り扱いがありません。残りの2社とPayPay証券を比較してみましょう。

取り扱い銘柄 リアルタイムに
取引できる時間
(日本時間)
手数料
PayPay証券 134銘柄 24時間OK 0.5% or 0.7%
SBI証券 3,514銘柄 23:30~翌6:00まで
(夏時間 22:30~翌5:00まで)
0.495%
上限 22米ドル
マネックス証券 3,751銘柄 22:00~翌10:00まで
(夏時間 21:00~翌9:00まで)
0.495%
上限 22米ドル
※取り扱い銘柄はいずれも2021年3月18日時点

米国株についてもPayPay証券が最も取り扱いが少なくなりました。注意点は、米国株式の場合、PayPay証券の手数料は、他社に比べて比較的高い ことです。

取引時間については、いずれの証券会社でもリアルタイム取引が可能ですが、24時間取引できるPayPay証券が最も優れている といえるでしょう。

PayPay証券のミニ株(単元未満株) 注意点

PayPay証券で取引を行う場合の注意点についても確認しておきましょう。

取り扱い銘柄が少ない

上述の通りPayPay証券は優良銘柄に絞っているため、取り扱い銘柄の数は多くありません。

そのため「できるだけ多くの選択肢から選びたい」という方には向かない かもしれません。

入出金手数料がかかる

ネット証券の中には、入出金手数料を無料にするサービスを行っている場合がありますが、PayPay証券にはありません。

入出金時に手数料がかかる 点には注意しましょう。

PayPay証券の口座を開設する方法

PayPay証券の口座を開設するには、PayPay証券のアプリをダウンロード しましょう。アプリ内の「口座開設」ボタンから申し込めます。口座開設の手続きには2~3週間程度かかります。

口座開設は、日本居住の方なら原則どなたでも可能です。親権者の同意があれば0~19歳の方も開設できます(未成年口座。取引に制限あり)。

PayPay証券でミニ株(単元未満株)を始めましょう

PayPay証券(One Tap BUY)の仕組みを見ると、若い方や投資初心者に選ばれている理由が見えてきますね。1,000円単位で注文でき金額に合わせて小数点以下の株数まで割り当てられる仕組みは、少額投資にぴったりです。

株式投資デビューを検討している方は、PayPay証券に口座を開設してみてはいかがでしょうか。

若山卓也
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。 AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。 AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有
 

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