4.ETFを買うならここ!ETFの手数料が低い証券会社

ここでは、ETFの手数料が低い(安い)証券会社を紹介します。

第1位 楽天証券

107銘柄ものETF取引手数料が無料です(2020年10月26日時点)。米国ETFに関しても一部銘柄の買い付け手数料が無料となっています。

また日経平均を対象に2倍の値動きを見せる「楽天ETF−日経レバレッジ指数連動型」などの商品では、信託報酬が他社の同種商品に比べおよそ半分以下(2020年4月23日現在0.35%)という安さを誇っています。

第2位 SBI証券

SBI証券は手数料無料ETFが業界最多水準の113銘柄です(2020年11月2日現在)。

また外国株の取り扱い国数も主要ネット証券の中でトップクラスとなっており、海外ETFも約360銘柄取り扱っています。

第3位 auカブコム証券

手数料無料の「フリーETF」サービスがあり、現物で100銘柄、信用で全銘柄が対象となっています。

その他にも自動売買対応において強みを見せています。例として株式注文では主要他社にない±指値®(プラマイ指値)注文や、トレーリングストップ注文など多くの取引方法をとることができるのも人気の理由の1つです。

ネット証券、対面証券でこのほか注目したい証券会社

前項で紹介した3社以外では、以下のような証券会社が代表的です。

・マネックス証券
ネット証券大手の1つに挙げられるマネックス証券は、ETF取引にも力を入れており、ETF自動積立とアドバイス機能を併せた「マネックスアドバイザー」というサービスを提供しています。年率0.30%のシステム利用料がかかりますが、マネックスアドバイザーを経由して取引するETFの売買手数料が無料となります。

マネックスアドバイザーには最新の金融工学理論が織り込まれていますが、そのほかにも同社チーフ・ストラテジストや米・ブラックロック社など、マーケットの専門家からのオリジナルレポートを加味し、ポートフォリオの見直しができる点も魅力です。

・野村證券
店舗での相談からオンラインサービスまで幅広いサポート体制を実現しています。手数料の安さ・手軽さからネット証券が注目される現在でも、やはり直接相談できる対面証券を選びたい人もいることでしょう。野村證券は国内証券最大手で、口座数は約532万口座です。対面証券を選ぶなら、注目といえるでしょう。国内ETFで220以上、海外ETFは180以上と、国別、業種別にも多彩な商品を取り揃えています。

・SMBC日興証券
対面証券で野村證券に次いで口座数が多いのは、SMBC日興証券です。国内ETFで210以上、海外ETFは米国市場を中心に65以上扱っています。取引手数料の安いダイレクトコースもありますが、投資情報などのアドバイスを受けながら取引できる総合コースも人気です。

〔参考③〕ETFの種類

これまで見てきたETFにどんな種類があるのか、ここでは詳しく説明します。

【国内株式に投資するETF】
・日経平均株価に連動するETF

年に一度、日本経済新聞社により選定される、日本の代表銘柄225社をベースに算出された指数である日経平均は、昔からよく知られた企業が外れ、IT関連企業と入れ替えられるなど時代の動向を常に反映しています。

日経平均のETFには、大きく分けて「ブル型」と「ベア型」の2種が存在します。ブル型は日経平均の上下に連動させるETFで、非常にシンプルです。

一方ベア型は日経平均の上下に逆行するよう売買されるETFで、日経平均を空売りしたのと同じ効果を得ることができます。空売りのためわざわざ信用口座を開設する必要がなく、また日経平均が下落すれば利益が上がるため、他の現物株に対するリスクヘッジとして有用でしょう。

・TOPIXに連動するETF

日経平均と同じく日本を代表する指数として挙げられるTOPIXは、約2,000社を対象として算出されるため日経平均の225社に比べてより客観性が高いといえ、投資信託のベンチマークとして多く使われています。ただし対象が2,000社とはいえ、大型株に引っ張られて影響を受けやすいという一面も持っています。TOPIXにも日経平均と同じく、ブル型・ベア型の2種が存在します。

・業種に連動するETF

日経平均連動型やTOPIX連動型のETFでは、日本を代表する企業全体に分散投資を行っている状態ですが、ある特定の業界に対し期待して投資したい場合には、業種別ETFが向いているでしょう。業種を絞るとはいえ自身で個別銘柄を選定し投資するには多額の資金が必要です。しかしETFであれば少額での分散投資を実現できます。

業種に連動するETFが指標とする「東証業種別株価指数」は、証券コード協議会が定めた33の業種別に、TOPIXを構成する東証一部上場銘柄を振り分け算出されたものです。業種区分は以下の通りです。

・海外株式に投資するETF

海外株式は日本国内にもいくつか上場していますが、大部分は海外の取引所で取引されています。この場合、その国の通貨で売買を行うため、為替リスクを考慮しなければなりません。ETFの基準価額への影響のほか、分配金の減少などにも留意しましょう。

通常、海外株式の個別銘柄へ投資するには情報量、言語、時差などいくつもの障壁があり選定は難航しますが、ETFであれば調査のステップが幾分省かれるため、ETFの強みが大きく発揮されることでしょう。

また海外株式への投資を支援するため、特定のETFへの投資の際、買付手数料を無料にするサービスを展開する証券会社なども存在します。このようなサービスの利用も視野に入れつつ、国内に上場している株式を取引するのか、海外の取引所で取引するのか、決済は円貨で行うのかなどの検討を行いましょう。

【債券に投資するETF】

通常の債券取引に対し、債券を対象としたETFでは主に2つの利点があります。

1つは、いつでも取引が可能なことです。債券は発行者の定めた期間内に購入しなければなりませんが、債券ETFであれば市場を通していつでも何度でも売買が可能です。

2つめは、解約手数料が無料になることです。債券は通常、満期まで途中解約することができず、解約が可能であっても手数料がかかることがあります。しかし債券を対象としたETFの場合は、間に証券会社を通しているためこの限りではありません。

【その他の資産に投資するETF】 ・金に連動するETF

金のような現物資産は価値がゼロになることがなく、有事の際のための分散投資先として一定の人気があります。通常、金の現物取引ではまとまった資金が必要となり保管料や売買手数料も高額です。しかし金ETFであれば少額から売買が可能で保管料もかからないというメリットがあります。

田中貴金属工業によると、金1gあたりの税込小売価格は6,938円(2020年12月18日現在)です。小型の地金は割高であることから仮に100g購入するとなると、税込小売価格は69万3,800円、また地金1つあたり別途売買手数料が1万6,500円、直営店での購入でなく持ち込みであれば保管料が年間5,500円となります。

これに対し金ETFであれば口数管理となり、4,000円程度からの取引が可能で、売買手数料も現物ではなくETFなので割安、また取引も株式同様リアルタイムでスピーディな売買が可能です。

金投資のデメリットとしては、分配金が出ないことです。現物資産であるために、ほとんどの銘柄では長期保有しても利息や配当がありません。また、他のETFに比べ信託報酬が比較的高額である点もデメリットです。通常の株式や債券投資の信託報酬相場が0.1~0.2%であるのに対し、金は0.4~0.5%ほどと割高です。

・原油に投資するETF

世界の代表的な原油価格指数はアメリカのWTI原油価格ですが、このWTIに連動するよう運用されるETFに投資を行うことで、直接投資と同じ効果を得ることができます。他のETFと同じく5,000円ほどあれば投資を始めることができ、また先物取引では取引に期限が設けられているものの、ETFには期限がなく中長期取引も可能です。

ただし注意点としては、需給バランスの関係上、長期的な価格上昇があまり見られず、短期的な上昇・下落が多いことが挙げられます。このため、あまり長期にわたり保有してもメリットが得にくいことでしょう。

・不動産に投資するETF

ETFには、REITと呼ばれる不動産投資信託が存在します。投資家からの資金でオフィスビルや商業施設などの収益物件を購入・運営し、そして保有する不動産の売却益や賃料収入を投資家に分配するものです。

国内の不動産投信は「J−REIT」と呼ばれ、比較的安定した利回りと相対的に高い分配金が期待できるとされています。その理由の1つは税金のシステムにあります。上場企業は通常、利益のうち約30%もの法人税を課せられ、残りの7割から内部留保金が引かれた残りが配当金になります。

しかし、J–REITでは実質的に法人税が課せられず、利益の9割を投資家に分配するため、結果として分配金が高くなりやすいのです。

まとめ:ETFは投資初心者にもおすすめ

いかがでしたか。この記事では投資初心者の方へ向けて、ETFの仕組み、メリット・デメリットなどの基礎的な事項から、おすすめのETF銘柄、ETFの取引に利用したい証券会社について紹介しました。

ETFはまだ歴史の浅い金融商品ながら、一般的な株式投資と投資信託の長所を併せ持つ投資方法です。国内だけでなく、海外市場の商品も選べます。流動性・透明性が高く、また各手数料などのコストも低いことから、投資初心者にも比較的はじめやすいといえるでしょう。

金融商品だけに、一定程度のリスクはあり、商品選びにおいて気をつけたいポイントもあります。上記の注意点を確認しつつ、資産形成の一部として、ETFの購入を検討してみてはいかがでしょうか。

提供・ANA Financial Journal

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