(本記事は、田中佑輝氏の著書『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、アスコム社、2018年12月25日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

※以下、書籍より抜粋

「年金生活」で年収はだいたい200万円ダウンする?

たとえば、2018年度の老齢基礎年金の満額支給額は77万9300円、月額にすると6万4941円です。

しかもこれは、国民年金保険料を40年間(480か月)、欠かさず払い続けた人が、65歳から受給を開始した際に受け取れる額であり、年金の「繰上げ受給」をした人や、国民年金保険料の未納期間があった人は、受給額が減ってしまいます。

未納期間については、全期間に対する未納期間の割合分だけ差し引かれます。

たとえば、未納期間が一年間(12か月)であれば、

77万9300円×12か月(未納期間)÷480か月=19482円となり、受け取れる額が一年あたり約2万円少なくなるわけです。

ちなみに、厚生労働省が2017年に発表した「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2016年度の、老齢基礎年金受給者の平均年金月額は5万5464円でした(年額にすると66万円程度)。

さらに、老齢基礎年金の支給額は、物価の変動や保険料収入に合わせて見直されます。

今後、物価が下がったり、少子化や現役世代の所得の低下によって保険料収入が減ったりすると、老齢基礎年金の支給額も減ってしまう可能性があります。

夫婦ともに国民年金のみに加入していた場合、2018年度の満額で受け取ったとしても、二人分合わせて月額約13万円、年額約156万円ですから、これだけで生活するのは、かなり厳しいと言わざるをえません。

では、厚生年金に加入していた場合はどうでしょう。

やはり「平成28年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2016年度の老齢厚生年金受給者の平均年金月額(老齢基礎年金分含む)は、14万7927円(年額にすると、14万7927円×12か月=177万5124円)です。

ただ、老齢厚生年金の受給額は、加入歴と、その期間の収入によって左右されるため、当然のことながら、より多く支給される人もいれば、より少ない人もいます。

基礎年金と厚生年金を合わせて、月額10万円以下の人がたくさんいる一方で、30万円を超える人はほとんどいないといえるでしょう。

共働きで、夫婦ともに長期にわたって厚生年金に加入していれば、年金収入が夫婦合わせて月額30万円程度、年額350万円程度になる可能性もありますが、妻が専業主婦もしくはパートタイマーだった場合、妻の年金収入は基礎年金のみとなり、夫婦合わせての年金収入は、月額20万~25万円程度、年額250~300万円程度であることが多いでしょう。

実際、厚生労働省は、報道発表資料「2018年度の年金額改定について」の中で、標準的な夫婦二人世帯(夫の現役時代の平均月収が42万8000円で、妻が専業主婦)の、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた額を、月額22万1277円(老齢基礎年金6万4941 円× 二人分、厚生年金9万1395円× 一人分、年額にすると265万5324円)としています。

一方、2017年に国税庁が発表した「平成28年分 民間給与実態統計調査」によると、年齢階層別の平均給与(年ベース)は、50代前半で504万円、50代後半で494万円です。

あくまでも平均値での比較になりますが、65歳以降、年金生活に入ると、現役時代に比べて、年収は200万~250万円も下がってしまうのです。

さらに、総務省の家計調査報告によると、2017年の、二人以上の世帯のうち高齢夫婦無職世帯(世帯主が60歳以上の無職世帯)の1か月の平均支出額(消費支出と税金、社会保険料などの合算)は26万5634円。

年金収入だけに頼っていると、足りなくなる可能性が高くなります。

そうならないためには、まず収入を増やす手段をできるだけ早めに講じること、そして支出を見直し、不要な出費を減らすことが必要となってくるのです。

【ポイント】
夫婦二人世帯がもらえる年金の標準的な額は、月額22万1277円。
年約200万円の収入ダウンに備え、さまざまな手を打っておこう。

(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

田中佑輝(たなか・ゆうき)
株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ代表取締役。
小学校から10年間シンガポールで過ごす。 大学卒業後、日本経済を学ぶため、日本国内の外資系銀行に入社。 専属ファイナンシャルプランナーとして活躍。 その後、2011年、「アルファ・ファイナンシャルプランナーズ」を設立。 大手新聞社、大手旅行代理店などの企業の社員に向けたセミナー、コンサルティングも手がけ、 これまで1万人以上の方の「老後不安」を解消。

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