「24時間365日事故受付」の落とし穴?

自動車保険の宣伝文句で、「24時間365日事故受付」があります。ここで注意したいのが「事故受付」と「初期対応」は違うことです。

コールセンターによる24時間365日の「事故受付」は、いまや珍しいことではありません。重要なのは事故を受付けたあとの「初期対応までの時間」です。

たとえば、金曜日の深夜に事故が起きた場合、コールセンターへ連絡します。でも、担当者からの連絡は「月曜日になります」というのでは、土日は不安な時間を過ごすことになりますね。決して冗談ではなく、以前のダイレクト型の保険会社では、そんな対応をしているところもありました。

現在はずいぶん改善されてきて、ダイレクト型の保険会社も土日・祝日でも「初期対応」をするところがほとんどです。ただ、不安な場合は念のため確認をとることをお勧めします。たとえ土日・祝日も対応していたとしても「対応可能な時間帯」が保険会社によって異なりますので、あわせて確認しておきたいところです。

一方、代理店型については、富士火災、あいおいニッセイ同和損保などはWebサイトで「24時間365日初期対応」を明記しています。ただ、Webサイトで明記していなくても「申し込んだ代理店の担当者に連絡をすれば」対応してくれるところもありますので、こちらも事前に確認することをお勧めします。

「プロの代理店」とそうでない代理店がある

注意しなければならないのは、すべての代理店型で事故の際に「(申し込んだ代理店の)担当者が対応してくれるわけではない」ことです。

代理店は、2種類に分かれます。すなわち、(1)保険を販売する「プロの代理店」と、(2)自動車を販売する自動車販売店、及び修理工場などで保険を販売する代理店です。

自動車販売店は自動車販売のプロ、修理工場は修理のプロですが、必ずしも保険に詳しくはないかも知れません。事故の際に安心できるサポートを受けたいのであれば「プロの代理店」を選ぶのが賢明でしょう。

ただ、来店型の保険代理店の担当者も、保険には詳しくても、自動車事故には詳しくはない可能性もあります。判断基準は人それぞれですが、私自身は保険料の安いダイレクト型の保険を選んだ方がずっといいと考えています。

代理店の担当者は「誰の味方」なのか?

ところで、自動車保険の「プロの代理店」の人から、こんなエピソードを聞きました。やはり事故対応の相談を受けることが多いそうですが、あるお客様から「あなたは、私の味方ですよね?」と言われたそうです。

このとき、彼は言葉に詰まってしまったといいます。自動車保険の代理店は、保険会社からの販売手数料でビジネスが成り立っています。どちらの味方か? ということになると、保険会社の意向に沿わざるを得ない関係にあります。

もちろん、代理店にとっては契約するお客様も大切です。彼は「できるかぎり、お客様の立場にたって相談を受けることにしている」ということでした。

文・長尾 義弘(NEO企画代表、ファイナンシャル・プランナー、AFP)/ZUU online

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