投資を広める活動をしたい
ーー就職先ではどんな職種に就きたいですか?
いろんな職種がある総合職なので、自分がどこに行くか正直わかんないです。初期配属としては、商品企画か商品プロモーション、投資を広めるようなところに行けたらなと思っています。
ーーへ~、意外です。なんかもっと運用に近いほうが行きたそうなのに。
運用に近いところもウエルカムですけど、運用の世界って数字が勝負なので、今自分が適当に飛び込んでも、たぶん優位性がないんですよ。
ーーこれからのキャリアプランは?
就活でよく言ったのは、もっともっと日本人が投資できるような環境を作っていくっていうことです。
正直今、証券会社の営業とかはもう限界だと思っていて、昔バブルの頃は証券会社が営業をかけてその人たちがいいサポートをすることによって投資家の人たちを育ててきたと思うんです。
でも今、営業マンのアドバイスを受けていた人が60歳から80歳くらいになって、いつか絶対に亡くなっちゃうので、これからその子どもの世代にどんどんお金が回っていっちゃう。そういった人が次にどういった投資スタイルになっていくか考えたときに、信託銀行にそのまま行くかって思ったら、たぶんみんなそうはならないと思うんです。手数料が高いですし、今はネットでも簡単に大手証券会社と変わらない情報が手に入りますから。
ただそういったときに、対応できる商品を作っていくようなことがしたい。別にみんながトレーダーとして自発的に投資をしてほしいとは思っていないんです。
別に投資なんてしても、誰も幸せにはならないじゃないですか。
ーー投資をしても幸せにならないというのはどういう意味ですか?
結局人って、飯食って、あったかい布団で寝て、結婚して、子どもができて……そういったところに幸せを感じるじゃないですか。投資をしてお金を増やすってことはすごい大事なんですけど、投資自体が直接的に人を幸せにできるわけではないんです。
間接的にはめっちゃ人を幸せにできると思うんですけど、たとえば投資に超プロフェッショナルがいて、みんな投資だけうまくなりましたって言っても絶対iPhoneは生まれないです。世の中を前進させていくというときに、投資家が目立っちゃいけないんです。
ーーあくまでも支えていくと。
支えていく。そんな感じでうまくやっていくというのがプロの役目かなって。今、投資家が目立ちすぎちゃっているので。直接的に人を幸せにしているところはもうちょっと目立ってもいいんじゃないかな、みたいな。
ーーどうして日本に投資を広めていきたいと思うんですか?
個人的な思いなんですけど、いま、日本企業の株って外国人投資家が買っている割合の方が高いんです。そうすると、株は相対的に割安になるし、日本人が日本企業の株を買わないと、日本の企業は外国人のために働いているような感じになるんですよね、資本的には。
そうすると日本の人はあんまり幸せにならないなと思うし、誰のために働いているの?って。そういう状況は、あんまり自分は好きじゃなくて。
長期的にお金を預けるってことは、本当ならば儲かる行為なんですが、今はお金を預ければ増えるんだって認識があんまりないので、そこをまず増やしていくことで、自分のお金を増やしたりとか、日本全体として物価が上がらない状況を打破できるんじゃないかなって思っています。
投資をして、自分のお金を、お金を必要としている誰かに渡して、その人ががんばって成長してくれてお金を返してくれるって、そういう温かい循環が生まれたほうがいいのかなって思います。
ーー日本経済をあっためるというか、元気にしてくれるというか。
そうですね。割安すぎる水準を直していくってところと、すごいアイデアを持っているのにお金がなくて苦しんでいる人は絶対いるんで、そういう人にうまくお金が行きわたって、iPhoneとか新しいものができて、みんなの生活が豊かになれば、幸せじゃないですか。そういうところをうまく導いていけるような投資家として広報活動を行っていきたいなって思ってます。
ーーありがとうございました!
若い人からエールを受けて
若い人からエールを受けながら、資産運用の長い旅を前に進めていくのも素敵です。とにかく、資産運用をするにはモチベーションが何より大切だから。
伊藤さんとまた別の機会にもお会いすることを願いながら、取材をしたカフェを後にしました。(株で数百万円稼いだ男子学生インタビュー、おわり)
今回、取材に協力してくれたのは…
文・くすい ともこ(DAILY ANDS編集長)/DAILY ANDS
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