気をつけておきたい落とし穴

(写真=Alisa Kolesnikova/Shutterstock.com)

「動物好きの男」に夢を抱きすぎてはいけない

しかし、「動物好き」ということを人間性の判断基準に使うのは、気をつけたいところです。私たちはつい、動物が好きだといい人だと思いがちですが、そんなことはありません。2016年に全国の自治体が引き取った犬猫のうち、犬は11%、猫は15%が飼い主の持ち込みというデータもあります(環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」)。

また、「好きだが世話はしない」「遊ぶのなら大得意」というタイプもたくさんいます。それは「子供好き」を自認する男性がよいパパになるとは限らない、ということと同じです。「動物好きの男」に夢を抱きすぎるのは、「子供好きの男」に夢を抱きすぎるのと同じです。

結婚前も結婚後も、ペットの飼い過ぎに注意

「好きだが世話はしない男」の一例になるかもしれませんが、筆者は結婚当時、8匹の猫の世話をほぼ一手に引き受けていました。猫の内訳は、筆者が飼っていた猫が2匹、元夫が飼っていた猫が5匹、結婚後に新たに保護した猫が1匹です。

これだけの猫の世話を日常的にほぼワンオペでこなすのは、実務的なことよりメンタル的なタフさが求められました。元夫が飼っていた猫は避妊手術やワクチン注射もしていませんでしたが、飼育頭数が収入に見合わないという経済的な理由もあったのではとも思います。

筆者は今、3匹の猫を飼っています。このときの経験を思えば、余裕で扱える数ですが、責任を持って世話できるペットの数には限界があります。

ペット好き同士が結婚すれば頭数が増えることもあるでしょうし、自分は平気な数でも相手が耐えられないこともあるでしょう。自分と相手の限度は分かっていたいものです。また、相手が自分の限度をわきまえている人なのかどうかも、見極めたいものです。

ペットへの向き合い方の不一致が分かれ目になることも

筆者の企画した猫好きイベントでお付き合いをスタートしたカップルは、数回のデートで終わることとなりました。

その理由は「望まずに生まれてしまった子猫に対する考え方の相違」。これを聞いたとき、残念だと思いましたが、致し方ない理由だとも思いました。というのも、女性の方はイベント当日、会場となった保護猫カフェに寄付する猫の餌を持参するほど、愛情深い女性だったからです。

ひとくちに「猫好き」「動物好き」といってもすべてが一致するわけではなく、その一致しない部分が重要なポイントになることもあります。彼女のようなケースや、筆者の元夫のような避妊・去勢への態度、病気や殺処分についての考え方などは、動物の命に関わることなので乗り越えるのは難しいでしょう。

また、「与える餌を選ぶ時、質と価格のバランスをどうとるか」や「完全室内飼いを絶対とするか、外に出すのも愛情と考えるか」なども、些細なようで折り合いどころを見つけるのが難しいポイントだと思います。

結局、これらの考え方の相違は、動物に対する考え方の相違に留まらず、人生全般に及ぶ価値観と信念の相違につながっているような気がするのです。

「ペット」はあなたと相手の価値観を映す鏡

(写真=Syda Productions/Shutterstock.com)

筆者はペットを「結婚を妨げるもの」だとは思いません。むしろ「ペット」というファクターでつながることもありますし、相手と自分が結婚後にうまく行くのかどうかを考えるシミュレーションもできると思います。何度も言いますが、婚活や結婚は「ゴールすれば成功」ではなくて、「幸せな生活を送れる相手と出会う」ことが肝心だからです。

そして、もっとも大事なことですが、ペットは生き物です。ペットを飼うということは、その命を一生預かるということです。動物が好きで責任を取れるなら飼えばいいし、そうでないならやめる。「結婚しやすくなるか、しづらくなるか」は、言ってみれば小さなことです。そんなことを気にしない方が、自分と同じように動物が好きな人と出会ったときに、価値観の一致が見え、すんなりと惹き合うのではないでしょうか。

菊池とおこ/DAILY ANDS

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