主婦の強みを生かせる銘柄選びのポイント2つ
株式投資を成功させるには、株に対する基本的な知識が必要です。しかし、専門的な知識や企業情報を持っている投資家のみが、株式投資で成功を収められるわけではありません。投資の専門家も持っていない、主婦ならではの強みを生かせる銘柄選びのポイントを2つ紹介します。
主婦の強みを生かした銘柄選び1:日ごろ目にする企業から銘柄を選ぶ
主婦の強みを生かした銘柄選定のポイントの1つめは、日々の生活で目にするメーカーやよく聞く企業のなかに、成長が期待できる銘柄が存在する点です。主婦は日ごろから、多くの商品やサービスを目にする機会があります。たとえば、スーパーに買い物に行くだけでも、多くのメーカーの商品を見ることができます。新発売やヒット商品、ロングセラーの商品などは、実際に買い物で足を運ぶ機会の多い主婦だからキャッチできる生の情報です。
頻繁に目にするメーカーは、人気やシェアが高いと考えられます。売り切れている商品があれば人気の高さを実感でき、いつの間にか姿を消した商品はあまり人気がなかったのかも、という考察もできます。主婦間で人気の商品があれば、そのメーカーの株価の上昇が期待できるかもしれません。多くの家庭で長年使われている商品を製造しているメーカーは、根強いファンが多いことが想像でき、将来的にも堅調な成長を続けることが考えられます。
このように、毎日の生活で手に入る情報を活用すれば、優良銘柄を探し出すことは十分可能といえるでしょう。
主婦の強みを生かした投資を成功させるには、メーカーやサービスへのアンテナを高くしておくことが大切です。
主婦の強みを生かした銘柄選び2:株主優待の内容で選ぶ
主婦の強みを生かした銘柄選定のポイントの2つめは、家計の助けにつながる株主優待選びです。株主優待では各企業が独自の優待を行っていますが、本当に魅力的な優待とは株主にとって価値がある優待だと考えます。その点、家族全員の生活スタイルや好みなどをよく把握している主婦は、家族にとって価値のある優待を選ぶことができるでしょう。優待の活用は生活費の軽減につながり、間接的な資産形成の手助けとなります。
では、主婦に人気の株主優待にはどのようなものがあるのでしょうか。1例を表1に紹介します。銘柄選びの参考にしましょう。
▽表1.主婦に人気の株主優待の1例
企業名 | 優待基準日 | 必要株数 | 優待内容 |
---|---|---|---|
すかいらーく ホールディングス |
6月末日および 12月末日 |
100~299株 | 4,000円 (2,000円×2回) |
300~499株 | 1万円 (5,000円×2回) |
||
イオン | 2月末日および 8月末日 |
100~499株 | 買い物額から3%のキャッシュバック |
500~999株 | 買い物額から4%の キャッシュバック |
||
ライオン | 12月末日 | 100株以上 | 洗剤など 自社製品詰め合わせ |
明治ホールディングス | 3月末日 | 100株以上 | チョコレートなど自社製品の 詰め合わせ2,000円相当 |
500株以上 | チョコレートなど自社製品の 詰め合わせ3,500円相当 |
レストランの優待や、食品・消耗品の贈呈などは特に見逃せないのではないでしょうか。生活密着型の株主優待から購入銘柄を吟味できるのは、主婦ならではです。
まとまった投資資金が準備できない。投資した資産が下がった。ケース別の対処法を確認
実際に投資をスタートすると、いくつかの問題点に直面する場合があります。ここでは、よくある2つのケースについての対処法を紹介します。
ケース別対処法1:投資資金が足りない!そんなときはミニ株から株式投資を始めてみよう
投資したい銘柄が見つかって投資を始めようとしたものの、資金が足りず購入できないというケースは少なくありません。それは、株式は通常、単元株単位で取引されるからです。株の最低取引価格は「株価×単元株数」であり、多くの銘柄で数万円~数十万円の購入資金が必要となります。前述のすかいらーくホールディングスを例として挙げると、2020年12月22日の株価は1,626円です。単元株数は100株なので、最小購入額は16万2,600円(手数料含まず)となるのです。
まとまった投資資金を用意できない場合や、いきなり大きなお金を投資するのは心配だという人は、「ミニ株」から始めるという方法もあります。ミニ株とは、本来100株からでしか購入できない銘柄を1株から投資できるサービスです。ミニ株を活用すれば、すかいらーくの株も1,626円から投資ができるようになります。
ミニ株投資は、株主優待を受けられる銘柄が多くありませんが、配当金や売却益は単元株投資と同様に楽しむことができます。単元株投資が難しい人は、ミニ株での資産運用も検討してみましょう。また、1株ずつ定期的に購入していけば、100株に到達した時点で株主優待の対象となることもできます。
なお、ミニ株はすべての証券会社で取り扱っているわけではありません。ミニ株を取り扱う主なネット証券とサービス名は、以下のとおりです。
・SBI証券:S株
・auカブコム証券:プチ株
・マネックス証券:ワン株
ミニ株の注文時間や注文方法・手数料は証券会社により異なります。ミニ株投資の前には、いくつかの証券会社を比較し、自分に合ったサービスで取引をスタートしましょう。
ケース別対処法2:投資した銘柄が値下がり……。損切りのラインは決めておきたい
株式投資で悩むのは、投資した銘柄の値下がりにより資産が減少したときです。判断を誤ると、保有し続けることで損失を増やしたり、売却により将来得られる可能性があった利益を失ったりすることもあります。
株価が値下がりしたときに慌てず落ち着いた売却判断をするコツは、許容できる損失額を決めておくことです。損失額が許容範囲内のうちは、株価の動きを見守ってもよいでしょう。許容できる損切りラインを超えたら、速やかに売却することで損失がそれ以上増えることを防げます。
口座を開設するなら、手数料の安さと利便性の高さが特徴のネット証券
株式投資を始めるにはまず、証券会社での証券総合口座の開設が必要です。証券会社には、店舗や窓口を持つ店舗型証券と、インターネットを介した取引が専門のネット証券があります。インターネットでの取引に不安がないなら、ネット証券の利用を検討してみましょう。
ネット証券のメリットとデメリット
ネット証券は、インターネット上で金融商品の取引を行う証券会社です。ネット証券のメリットおよびデメリットを、表2で確認しましょう。
▽表2.ネット証券のメリットおよびデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・手数料が低水準 ・利便性が高い |
対面での相談ができない |
ネット証券は、店舗や窓口を持ちません。人件費や店舗維持費を削減できるぶん手数料が安く、コストを抑えた投資ができるメリットがあります。また、ネット証券での取引は、インターネット上で完結します。そのため、パソコンやスマートフォン・タブレットといった端末とインターネット環境があれば、時間や場所を気にすることなく投資ができます。日中忙しく店舗に行く時間がない人なども、ネット証券を活用することでストレスの少ないスムーズな取引ができるでしょう。
口座開設は証券会社のホームページから
ネット証券の証券総合口座は、パソコン上で開設手続きが完了します。開設に必要な3つの手順は、以下のとおりです。
・口座開設の手順1:証券会社のホームページから開設の申し込みをする
開設の申し込みは、証券会社のホームページから行います。メールアドレスを登録し、指示に従い必要事項を入力しましょう。
・口座開設の手順2:本人確認書類およびマイナンバー書類の提出
開設時には、本人確認書類およびマイナンバー書類の提出が必要です。書類として認められるものの1例を、表3にまとめます。
▽表3.本人確認書類およびマイナンバー書類の1例
書類名 | |
---|---|
マイナンバー書類 | ・マイナンバーカード ・通知カード ・マイナンバーが記載された住民票の写し(※1) ・マイナンバーが記載された住民票記載事項証明書(※1) |
本人確認書類 | ・運転免許証
・パスポート ・住民基本台帳カード ・健康保険証 ・住民票の写し(※1) ・印鑑登録証明書(※1) ・在留カード(※2) ・特別永住者証明書(※2) |
書類の提出は、アップロードもしくは郵送で行います。開設までは証券会社により数日~1週間ほどかかるため、前もって手続きを進めましょう。
・口座開設の手順3:初期設定
インターネット上で株取引をするには、初回ログイン時に初期設定が必要です。初期設定では、名前や住所、勤務先といった投資家情報を入力します。また、年収などの資産状況や、投資経験・リスク許容度なども登録しましょう。初期設定が完了したら、株取引をスタートできます。
まとめ:商品やサービスへの情報量と流行への察知力を生かした主婦投資を始めよう!
株式投資における主婦の強みは、商品やサービスへの情報量と世の中の流行への察知力です。強みを生かした銘柄選定に加え、株主優待を家計に生かすことで、将来に向けた総合的な資産形成を目指せます。
家事や育児などで日中の投資が難しいなら、利便性の高いネット証券が便利です。ネット証券には、ミニ株を取り扱っている証券会社もあります。いくつかのネット証券を比較し、投資家に合った証券会社で投資をスタートしてみてはいかがでしょうか。
【こちらの記事も読まれています】
>1万円から始められる投資って?
>リスク許容度がわかる10のチェックリスト
>「おつり投資」「ポイント投資」って?
>楽ちん「投信つみたて」とは?
>投資のはじめの第一歩