PTS取引は手数料が取引所取引より安くてお得

PTS開設以来夜間取引を継続しているSBI証券では、夜間取引を含むPTS取引手数料を取引所の取引手数料より安く設定している。そのため、同じ銘柄を同じ株価で取引する場合、PTS取引を選べば投資効率は良くなる。

PTS取引の注意点

証券取引所の立会時間外でも取引できるため、PTSナイトタイム・セッションでの取引は日中忙しい人にはありがたいが、夜間取引ならではの注意点もあるので確認しておきたい。

夜間取引は、売買に参加する投資家が少ない。まずはPTSの板情報をチェックして、自分が希望する注文が約定しそうかを見極めることが重要だ。売買ボリュームが少なく、注文値段も指値だけなので、取引が成立しない可能性もある。当日中の取引を断念して別の日に改めて取引を試みる柔軟性も必要だろう。売買ボリュームの少なさが災いし、値動きが大きくなるリスクがあることも事前に承知しておくべきだ。

さらに、PTS取引ではデイタイム・セッションとナイトタイム・セッションのいずれも現物国内株式取引だけに限定されている。信用取引をしたい投資家が利用できないシステムであることも注意しておきたいポイントだ。

夜間取引を含むPTS取引の基本ルール

取扱商品は現物のみで、東京証券取引所上場銘柄のうち、SBIジャパンネクスト証券が指定する普通株式・ETF・REIT・インフラファンドなどが対象だ。

夜間取引でも適用されるPTS基準値は、当日の東京証券取引所の最終値段(最終特別気配)を基にして決定され、制限値幅も東京証券取引所に準じる。なお夜間取引を含むPTS取引の売買価格は、注文する指値が相手方の指値と一致する価格と定められている。

PTSのデイタイム・セッションの注文は、ナイトタイム・セッションに引き継がれることはない。ナイトタイム・セッションの注文の有効期限は当日の23:59までである。

PTSによる夜間取引ができる証券会社比較

2018年11月時点でPTS取引による夜間取引ができる、SBI証券と松井証券の取引時間帯と手数料は以下の通りである。

SBI証券

夜間取引、PTSナイトタイム・セッションの時間帯……17:00~23:59
手数料……同じ株価の場合、当社スタンダードプラン取引所取引手数料に比べて、約5パーセント割安に設定されている。

1注文の約定代金 PTS手数料(税込) 取引所取引手数料(税込)
5万円まで 50円 54円
10万円まで 92円 97円
20万円まで 108円 113円
50万円まで 257円 270円
100万円まで 498円 525円
150万円まで 597円 628円
3,000万円まで 946円 994円
1億円まで 997円 1,050円

※上記手数料一覧は、SBI証券ホームページを参照の上、筆者が作成している。

松井証券

夜間取引/PTSナイトタイム・セッションの時間帯……17:30~23:59
手数料……取引所取引と夜間取引(PTS取引)の1日約定代金合計金額ごとに手数料「ボックスレート」が適用される
               

1日の約定代金合計金額 手数料
10万円まで 無料
30万円まで 300円/無料 ※
50万円まで 500円
100万円まで 1,000円
200万円まで 2,000円
100万円増えることに1,000円加算
1億円超 10万円(上限)

※新規に信用取引口座を開設すると、開設後6ヵ月は1日の約定代金合計金額が30万円以下の場合、手数料は無料になる。
※上記手数料一覧は、松井証券ホームページを参照の上、筆者が作成している。

楽天証券

楽天証券は、夜間取引/PTS取引ナイトタイム・セッション(16:30~23:59)でのジャパンネクストPTSへの取り次ぎを2018年度中に開始すると発表している。なお、楽天証券では、デイタイム・セッションにおいては、チャイエックスPTS(8:00~16:00)とジャパンネクストPTS(8:20~16:00)の両PTSに接続している。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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