早く結果を出したいビジネスパーソンに最適 立会時間外のPTS取引と夜間取引
多忙なビジネスパーソンにとって、限られた時間を使って株式が売買できるだけでなく、その場で結果も確認できることが、PTS取引や夜間取引の最大の魅力ではないだろうか。
最近ではオンライントレードやネット証券が普及して、ほぼ24時間売買の注文ができるようになった。とはいえ、立会時間外に注文を出しても、それは“注文受付”でしかない。例えば、お昼の休憩時間を割いて注文しても、後場の寄り付きまで約定しない。仕事を終えた夜間や翌朝になんとか発注したとしても、夜間から翌日の売買立会開始までの注文が約定するのは始値が決まってからだ。こうした状況にフラストレーションを感じていた人には、その場でPTSの板情報を確認・注文できて取引が成立するPTS取引や夜間取引は、またとない解決策となるだろう。
企業の決算発表や海外の重要指標発表に迅速に対応できる夜間取引
もともと株価は、企業の決算発表や業績ニュースなどによって変動するものだ。こうした発表は、証券取引所の大引け前後にあることが多い。その日の株式市場の総括や株式関連ニュースも大引け以降に発表されることが多く、翌営業日の始値に少なからぬ影響を及ぼす。PTSの夜間取引ならば、翌朝慌てて注文を出したり、無事約定するか気をもんだりすることなく、落ち着いて取引することができる。
アメリカの雇用統計、米ドルやユーロの政策金利発表といった海外の重要指標の発表、FRB議長またはECB議長の発言なども日本の株式相場を左右する。例えば、日本とアメリカ東部標準時の時差は14時間(夏時間では13時間)、日本とロンドンの時差は9時間(夏時間では8時間)ある。このような海外の経済指標やニュースは、日本の証券取引所の立会時間外に発表されることになる。発表内容によっては日本の相場にネガティブな影響を及ぼして、翌日の始値が大暴落することもある。取引所の取引時間外にこのような海外の発表があった場合、翌日の取引所の開場を待たずに対応できるメリットは大きい。大きな含み損を抱えるような事態を避けることもできるだろう。
小さい呼び値-取引所より有利な値段で取引できる可能性あり
PTS取引は証券取引所に比べて呼び値(注文時の値段の刻み)が小さく設定されており、自分の希望に近い値段で約定できる可能性がある。PTSナイトタイム・セッションを利用した夜間取引も例外ではない。
株価が1,000円超~3,000円以下の銘柄の呼び値は、取引所では1円刻みと定められているが、PTSだと0.1円である。株価が5,000円超~1万円以下だと、取引所の呼び値は10円刻みだ。一方、PTSでは1円になっている。
例えば、東京証券取引所で8,910円が最良買い気配、8,920円が最良売り気配である銘柄を100株売却する場合、10円刻みのため8,910円であれば売却できる。この時の売却金額は89万1,000円になる。
同日の夜間PTS取引で、同じ銘柄の板情報を見ると、PTSの最良買い気配が8,910円であっても、呼び値が1円刻みのため最良売り気配が8,916円となることもある。この時の同銘柄100株の売却金額は89万1,600円であり、取引所に比べると600円高く売却できるのだ。