ピーターパン症候群とは?
ピーターパン症候群とは「永遠の少年ピーターパンへの憧れ」
ピーターパンのお話を知っている方は多いでしょう。ピーターパンはイギリスのバリーが書いた、永遠に少年のままの男の子の物語です。ネバーランドで仲間の少年やウェンディ、妖精のティンカーベル、海賊たちと冒険を繰り広げます。やがてウェンディは大人の女性になりますが、ピーターは永遠に少年時代を生き続けるのです。
永遠に年を取らない少年のままのピーター・パンの名前を取ってつけられたのが「ピーターパン症候群(ピーターパン・シンドローム)です。ピーターパン症候群の人は永遠に無邪気な子供でいたいという願望を持っています。ピーターパンは少年ですが、男性だけでなく女性もピーターパン症候群になることがあります。
ピーターパン症候群とは「パーソナリティ障害の一種」
ピーターパン症候群はパーソナリティ障害の一種ですが、正式な学術用語としては認められていません。しかし、ピーターパン症候群にあてはまる問題をかかえている人が多くいることからこの名前は世界中に浸透しました。特別な人がなるわけではなく誰でもなりうる問題の1つといえます。
一般的にピーターパン症候群は男性に多く見られますが女性でもこの問題を抱えた方はいます。体は大人になっても精神的に大人になり切れず子供のような言動を取ってしまうこと、大人でいることを否定し子供のままでいたいという願望が強いという特徴が見れらます。
ピーターパン症候群とは「感情のコントロールが上手くできないこと」
子供のころは良かったと思う方は少なくないでしょうし、大人になりたくなかったと思うこともあるでしょう。そう思うことは誰でもあることですが、思うだけでなく言動にも表れてしまうのがピーターパン症候群の特徴です。
ピーターパン症候群の特徴として一番に上げられるのが、感情のコントロールが上手くできないことです。特に怒りや不満などの負の感情が抑えられず周囲を困惑させてしまいます。自分を正当化してしまう自己愛が強いのも特徴の一つです。しかし、それだけでなく傷つきやすい繊細な一面も持っています。
ピーターパン症候群とは「アダルトチルドレンとは別もの」
ピーターパン症候群はアダルトチルドレンという精神疾患と混同されてしまいがちですが、全く別のものです。アダルトチルドレンは子供のころの劣悪な家庭環境で心が傷つき、その傷が癒えないまま大人になってしまった人のことを言います。アダルトチルドレンの人は感情をうまく表に出せず我慢してしまうのが特徴です。
ピーターパン症候群の原因は?女性も男性も原因は同じ?
ピーターパン症候群の原因①子供のころの家庭環境が大きく影響
ピーターパン症候群の大きな原因は家庭環境にあるとされ、女性も男性も原因は同じです。金銭的に豊かであったかどうかはあまり関係なく、愛情ある家庭だったかどうかが子供の人間性やその後の性格形成に大きな影響を与えます。特に両親の関係がどうだったか、家族として機能していたかどうかはとても重要です。
ピーターパン症候群の原因②両親の不仲が子供の心に大きく影響
父親が厳格すぎる反面、母親が異常に過保護にしたり、父親が仕事人間で家庭を顧みず、母親が子供にのめりこんで依存しているなどの場合は、子供の心をさいなんでしまう場合もあります。人として正しいあるべき姿を学べず、やがては独り立ちしなければならないのにべったりとくっついてくる母親に子供も依存してしまいます。
両親が不仲だった場合、家庭は愛情あふれる安らぎの場所ではなくなってしまいます。子供は自分自身の存在に自信が持てず、また感情を受け止めてくれるはずの両親が自分たちの争いごとにかまけている状態なので、正しい感情の出し方や処理の仕方を学ぶことなく成長してしまうのです。
ピーターパン症候群の診断チェック方法は?
チェックリストで「ピーターパン症候群」か診断してみよう
ピーターパン症候群チェックリスト
- 怒りが抑えられず言動に表してしまう
- 物事に対して不満に思うことが多い
- 思い通りにいかず周囲にあたってしまうことがたびたびある
- 努力や我慢が嫌い(できない)
- すぐに「できない」と簡単に言ってしまう
- 仕事が長く続かない、責任感がないと言われる
- 自分の固定観念やこだわり強く、反対意見を受け入れられない
- 自分はいつも正しいし、自分のことが大好き
- 自分に自信がなく劣等感がある
- ちょっとしたことですぐに傷ついたり落ち込んだりする
- 恋愛関係が長く続かない
- 物事を客観的に考えられず自分中心の考えや意見に固執する
- ひとりで考えて行動することが苦手
- 気が付くと周囲から孤立していることが多いが理由が分からない
- 現実的なことは苦手で空想や妄想が好き
当てはまる数が多いほど「ピーターパン症候群」の可能性が高い
チェックリストの該当数が多いほど、ピーターパン症候群の可能性が高くなります。ピーターパン症候群ではない人でも当てはまる項目があるかもしれませんが、5つ以上該当するならピーターパン症候群である可能性が高いです。
男性のピーターパン症候群の特徴は?
ピーターパン症候群の男性は「感情制御が苦手」
男性のピーターパン症候群の特徴は怒りの感情を爆発させることが多く、プライドが非常に高いので自慢話が多かったり、自分の能力を高く見せようとして誇張することが多かったりすることです。自分に甘く他人に厳しいので責任転嫁や言い訳をすることも多く見受けられます。また男尊女卑の傾向も見られます。
ピーターパン症候群の男性は「ウェンディが理想」
ピーターパン症候群の男性の理想の女性はずばり、「ウェディ」。ウェンディは少女ながらネバーランドで子供たちの母親代わりを務め、優しく見守ります。母性愛が強く、母親のように寛容に男性を受け止めてあげることができる女性であればピーターパン症候群の男性を理解してあげることができるでしょう。
ピーターパン症候群の男性は「ティンカーベルなら上手く付き合える」
しかしよほど寛容な心がないとウェンディのような女性にはなれません。その点ティンカーベルはピーターのことが大好きですが、世話を焼いたりすることはなく楽しい冒険だけ共有します。女性側が精神的に自立しており、男性の面倒な点には関わらず共通の楽しみや価値のみを共有すればうまく付き合うことできるでしょう。