「生活に身近で、成長性のある企業」を選ぶ理由
ーーOne Tap BUYではたくさんあるアメリカの企業のなかから、30銘柄を選んで販売しています。「生活に身近で、成長性のある企業」を銘柄選定の基準にしている理由を教えてください。
まず、株を買うということはその企業に成長性があることは絶対に必要ですよね。
問題は、その成長性をどうやって見るか、ということです。プロは企業を訪問し、説明会に行って、根掘り葉掘り聞いて、その企業のことを知っていくんですよね。メーカーに行けば、新商品のサンプルをもらって、それが売れるかどうかを考える。
でも、一般の人に同じことはできません。となると、自分の使っている商品で判断するしかないし、それは一番正しいんですよね。
例えば、スターバックスに毎日行っている人が「最近、客足が悪いな」「味が落ちたな」とか逆に「フレンドリーなサービスがいいな」って思うのは、毎日使っているから。
「判断」ができるためには、自分にとって身近でなければいけません。
ーーということは、ユーザーが自分で銘柄を選ぶことを前提にアプリを作っているんですね。
自分で選んだ銘柄じゃないと後悔しますから。人から「これ儲かりますよ」と言われて理由もわからずに買って、下がって、「なんかあの人の言うことを聞いて失敗しちゃった」となると、当てどころのない不満になってしまいます。
自分が選んで失敗しても、気持ちよくはないんだけど、自分で選んだっていう、まさに自己責任が全うできる。株価が上下したときに、売るべきか、そのまま持っておくべきか、次の判断も自分でできると思います。
ーーOne Tap BUYには、三好さん含め大手証券会社出身の方がたくさんいらっしゃいます。そのように考えるようになったきっかけは、大手証券会社での体験も関係しているのでしょうか。
One Tap BUYも含め、証券会社というのは、お客様が金融商品を売買したときの手数料が売り上げに直結するので、お客様に売買をたくさんしてもらった方が売り上げは高くなります。
ただ、そうした「回転売買」(ある銘柄を売った代金でその日のうちに他の銘柄を買うなど、売買を繰り返すこと)を続けると、お客様は手数料の分、損をする可能性が高くなってしまいます。そうすると、長期的にはお客様が離れていってしまうことにもつながります。
当社には、投資家に長期的に勝ってほしいという思いがやはりあるんですよね。そのためには成長すると思う株を長期的に持つこと、株価が下がったときにも頑張って持ちきることが大切です。それができるのは、自分で選んだ成長銘柄だからです。
当社にしてみると、手数料収入は少なくなるかもしれないけれど、長いスパンで見たときに、お客さんが少しずつでも増えていっていただければと思っています。