2017年6月9日、スマホ証券「One Tap BUY(ワン・タップ・バイ)」のホームページにこんなタイトルの案内が掲載されました。
「【重要】Yahoo!株の買付け停止のご案内」
One Tap BUYといえば、「わずか3タップで米国株が買える」という、いま注目のフィンテックサービスの一つ。DAILY ANDSではこのアプリを使った女子大の授業を取材したこともあります。
なぜ今、米国Yahoo! 株を販売停止するのでしょう?
「Yahoo!は6月8日の臨時株主総会において、主要業務であるWebサービスを売却し、社名を『Altaba(アルタバ)』に変更することを可決しました。(中略)この動きは、今後の成長性が期待できる銘柄をご提供するOne Tap BUYの銘柄選定趣旨から外れることとなるため、Yahoo!株の買付を停止させていただくことといたしました。」(One Tap BUYホームページより引用)
と紹介されていますが、そもそも一体どのような基準で「成長性が期待できる銘柄」を選んでいるのでしょうか?
初心者にもわかるように教えてほしい!と思い、同社が入居する六本木ヒルズ森タワーを訪れました。
Yahoo!はもう、自力で成長できない
今回、取材に協力してくれたのは、取締役の三好美佐子さんです。
ーーYahoo!株販売停止のきっかけとなったのは、Yahoo!が主力のインターネット事業を売却したことだと発表されていましたが、ここについてもう少し詳しく教えてください!
ウェブ事業はYahoo!にとって主力の事業です。それは日本で例えるならば、トヨタが自動車事業を他社に売るというようなもの。もしそうなったら、「え、これからどうやって儲けるの?」って思いますよね。
ーーYahoo!の事業売却については、いつごろから気づいていたんですか?
私たちは、One Tap BUYで取り扱っている米国企業30社のニュースを毎日チェックしています。Yahoo!のウェブ事業売却については、数カ月前からちょこちょこと情報が出ていました。その後、値段交渉に結構、時間かかっていたみたいですが。
ーー今後のYahoo!に成長性が描けないと判断された部分、もう少し詳しく教えていただけませんか?
本業を売っちゃったYahoo!は今後、どうなるか?というと、「アリババ・グループ」と「ヤフー・ジャパン」の株を持っているだけの会社になってしまいます。CEOだったマリッサ・メイヤー氏ら取締役も辞職してしまいます。
今後アルタバは、アリババ株が上がれば株価は上がるかもしれないし、ヤフー・ジャパン株が上がれば上がるかもしれませんが、自力で成長する会社ではなくなってしまいます。自分の力で成長を期待できないということはつまり、投資家はこの企業にどういう「夢」を描いたらいいでしょうか。
One Tap BUYのポリシーは、「生活に身近で、成長性ある、いいサービスを提供し続ける会社の株を買いましょう」ということなので、いわば中身が「空」になった会社の株を扱うのは、違うんじゃないか、と思ったわけです。