口座振替の利用は、「必ず支払う資金」に仕訳する

水道光熱費や電話料金・通信費、保険料や税金などは予め口座振替を利用している人も多いだろう。金融機関の口座振替の履歴などで、毎月合計いくら位、と予算繰りをする必要がある。口座振替を利用した瞬間に、毎月「必ず支払う資金」に仕訳されてしまっている。自由に使えるお金は、この「必ず支払う資金」を支払った後、と無意識に分別・仕訳をされてしまっているのだ。

資産形成のコツは「自動的に貯まる仕組み」 iDeCo・つみたてNISAは最適

金融庁長官が、個人が投資で成功するための秘訣として引用した内容がある。そのキーワードは「複利、コツコツ、分散、コスト」である。資産運用で著名なバートン・マルキールとチャールズ・エリスの共著の内容から紹介した一部を引用する。

  • 市場の値上がり、値下がりを気にかけず、一定額をこつこつと投資すること
  • 市場全体に投資するコストの低い「インデックスファンド」を選ぶこと iDeCo・つみたてNISAともに「一定額をコツコツ」投資して資産形成を行うものだ。つみたてNISAでは、投資対象があらかじめ「選別」されており、アクティブファンドを選ばなければ、つみたてNISA対象の中で既に「コストの安いインデックスファンド」の選択が可能になっている。

    自動的に貯まる仕組みを導入すると、意識せずとも「必ず支払う資金」に無意識に仕訳されることとなり、計画的な資産形成・貯蓄が可能になる。

    富裕層はコストに敏感 「知らぬ間のコスト」を洗い出す

    投資信託やファンドラップなどには「信託報酬」というコストが存在する。これはいわば「天引き」のシステムで、1.5%~2.2%などのコストが「天引き」されている。金融機関からの引き落としは無いものの、投資商品(投資信託やファンドラップなど)の残高から毎日引かれており、コストよりも運用パフォーマンスが悪ければ「元本割れ」となる。運用資産を目減りさせるコストを投資家はあまり認識していない。いわば「知らぬ間のコスト」が残高から引かれているのだ。

    金融庁長官のコメントにもある「低コスト」で運用するためには、「知らぬ間のコスト」がどの程度あるのかを認識することが大事だ。資産運用のアドバイザーなどからアドバイスを受ける富裕層は、このコストを十分認識している。外国債券などについては、市場で取引されている価格よりも上乗せされている「隠されたコスト」が発生している場合も多くある。また、為替の手数料で結果として投資家が10%以上のコストを負担する商品を、金融機関はセールスしているケースすらあるのだ。「知らぬ間のコスト」をしっかりと洗い出すことで、富裕層が「低コスト運用」を実現していることを知って欲しい。

    文・安東隆司(CFPRファイナンシャル・プランナー)/ZUU online

    【こちらの記事もおすすめ】
    豊かな老後のためにすべき3つのこと
    アラフォー女性のための幸せ貯金計画
    お金が貯まる5つのコツ
    貯まらない女子「3つの言い訳」対処法
    「お金がない時」5つのNG行動