「元旦那は養育費も振り込まなくなったから、生活に余裕はない。大学に行きたいと言われたら奨学金を借りてもらうだろうし、そもそも父親の愛情も知らないから、両親がそろっている家庭をうらやましく思っているかも。

 子どもから将来『親ガチャ外れた』と言われたとしても、『そうだよね、ごめんね』としか言い返せない気がする」

 と語るのです。それでも、「『親ガチャ』が多用されているからこそ、そんな言い回しを使おうと思わせないほどの愛情をいっぱいに育てたい気持ちが強くなった」とも話してくれました。

◆「子ガチャなんて言う親がいたら神経を疑う」

家庭での母子
 さらに「親ガチャ」同様に、「子ガチャ」の表現も。

 発達障害の子どもを育てる知人に話を聞いてみると、「『うちは子ガチャに当たった』なんて言う親がいたら神経を疑う。『子ガチャ』は絶対に自分たちでは口にしたくないし、頭にも浮かべたくない」と、怒りにも近い気持ちを吐露していました。

「『自分は問題ないのに子どもが障害者の親は、子ガチャに外れてかわいそう』という意見をネットで見たときに胸が苦しくなりました。

 でも『発達障害児に産んでごめんね』という発想自体が子どもに失礼だなと思い、気持ちを立て直しました。障害の有無や容姿、健康、学力、性格など、子どもを育てる上で心配になることはたくさんある。

 それでも、どんな子どもが当たりか外れか、なんて価値観はいらないですよね。どんな子どもであってもわが子はかわいいのだし、『絶対に幸せにする』覚悟こそが育児には大事だと考えながら、子育てをしています」

◆子育てを“無理ゲー”にさせているのは何か

 昨今では、物価高や社会保険料の増大などによって、子どもを十分に養うには夫婦共働きでないとなかなか難しい世の中になりました。

 それにくわえて、預け先や頼れる人の不在に、社会からの厳しい視線……。こうしたことがさまざま積み重なるため、「子育ては無理ゲー」とも言われています。