賭博罪は、『日本国内で真面目に働こうとする勤労意欲を失わせないこと』を法律の目的として成立しています。“日本国内”というくくりがある以上、海外のオンラインカジノであっても罪になります。なお、単純賭博罪の場合、ほとんどの場合、罰金刑ですが、これが繰り返し行われている場合、常習賭博罪となり、懲役刑が科される場合もあります」

ややこしい「無料版」のCM ニッポン放送は慌てて過去投稿を削除

 ややこしいのは、くるまが言及したように、日本国内でもオンラインカジノの広告が流れていることだ。インターネット上だけでなく、“無料版”についてはラジオや動画配信サービスなどでもCMが頻繁に流れていたという現実がある。

 たとえば、スポーツ専門配信サービスDAZNでは、スポーツベッティング・オンラインカジノのBeeBetやマイベットの“無料版”CMが流れている。BeeBetのCMに関しては、元サッカー日本代表の岡崎慎司が出演している。また、同じく元サッカー日本代表の吉田麻也が出演するオンラインカジノ・ベラジョン無料版のCMが流れていたこともあった。

 ニッポン放送でも、過去にベラジョン無料版のCMが放送されていた実績があるが、ニッポン放送は今回の騒動を受け、「弊社のCMから『海外の有料オンラインカジノにたどり着いた人もいるかもしれない』等のご指摘をいただいたことから、より万全を期すために、WEBやSNSの過去投稿等を削除しております」と声明を出している。

 無料版は実際に金銭を賭けるわけではないため、日本国内からの利用も合法ではあるが、無料版を入口に金銭を賭ける有料版へと進んでいくユーザーも少なくないと目されるうえ、まさにくるまのように、CMを見聞きしてオンラインカジノが違法ではないと考えた人も多く、にわかに問題視されている。

オンラインカジノの経済効果

 なお海外ではオンラインカジノとスポーツベッティングを同じサービス内で提供するケースも多く、スポーツベッティングをしながら試合を楽しむことも当たり前だ。欧州サッカーリーグでは多くのスポーツベッティング企業がスタジアムに広告を出し、ユニフォームの胸スポンサーになるケースもある。