年金はちゃんと運用されていた

くすい: iDeCoの対象者が増えたのは、老後資金を自己責任で準備してくださいね、という国からのメッセージですもんね。自分で自分の退職金なり年金なりを用意しなきゃいけないっていうことになってくると、本当に今おっしゃった通り、お金に無関心ではいられなくなります。

葉子: たとえば年金が月20万円位はもらえる試算だったのに、これからは15万円位になりそうです。となったら、5万円の不足分はどうしたらいいの?となりますよね。

しかも、20万円あればなんとかなるかな、と思って、さほど心配もしていなかったとして、足りない5万円をどうにかしなきゃいけない、自分たちでiDeCoやNISAを使って、老後資金作ってね、と言われたら、運用なんてしたことないし~、運用して減ったらどうしてくれるの~、って急に不安になる。

国も年金資金を運用していて、これまでちゃんと運用で増やしてきているのに、そんなことはあまり知られていなくて。逆に、年金が減るのは、運用で失敗している から、って思ったりして。あたかも本当に年金がもらえなくなっちゃうんじゃないかって、思っちゃってる。

国がどうやってお金を運用してきたのか?についてはちゃんと、国のホームページで公表されているわけなので、知ることはできます。普通に株半分、債券半分、国内外にバランスを取ってってやってるだけの話なんです。

ちゃんと増えているってことを確認したら、じゃあこれと同じ方法で国がやるか自分がやるかは別として、同じ方法であればちゃんとじわじわ増えるんじゃないか、というイメージはたぶんつくと思う。

それを知っていればそんなに怖がる必要もないし、知らないから知らないことで不安になってるだけです。

くすい: 知らないから不安になる、というのはありますね。

葉子: 国がしてたら全然気にならなくて安心なのに、自分がするとなったら心配でって、本当はおかしな話しですよね。そういう仕組みなんだってことすらも知らないんですよね。

自分が専業主婦だから、メリットがないからiDeCoはしませんっていう人も多いですが、ご主人が会社でやってる可能性もある。ご主人はお仕事で忙しくて無関心なんだったら、多少気持ちと時間に余裕があるほうが管理するというか、少し賢くお金を増やせていけたらいいのかなーとは思います。

くすい: おっしゃる通りです。株のテクニカル分析まで全員できるようにならなくてもいいかもしれないけれど、お金の話や金融用語にアレルギーを感じない程度に関心を持ってみる、というのは大切だと思います。

(写真=DAILY ANDS編集部)