ニューヨークの街中で人がネズミの生肉を食べる衝撃的な映像が、ソーシャルメディアで広がった。ホームレスとみられる男性がネズミを手でさばいて食べており、市の保健当局者は男性の健康が危険にさらされているとして、身元の割り出しを急いでいる。
ブロンクスの路上 つまんで口に入れた後、かぶりつく
映像はニューヨーク・ブロンクスで3月1日に撮影された。ソーシャルメディアにアップされた映像を、芸能人のスキャンダルに強いニュースメディアとして知られるTMZが最初に報じ、大衆紙のニューヨーク・ポストなども伝えた。
1分15秒の映像には、ブロンクス南部のモット・ヘブン地区の歩道に座り込んだ青いキャップを被った黒人のホームレス風の男性が、死んだネズミをつかんで、慣れた手つきで腹のあたりを割き、肉を食べている姿が映っていた。右手で生肉をつまんで口に入れた後、ネズミにかじりつく男。その際、白い血管のような長いひも状のものが口からぶら下がっているのが確認できた。
ネズミはインドや中国、ベトナム、インドネシア、カンボジアなどアジア諸国のほか、メキシコなどのラテンアメリカ、ナイジェリアなどのアフリカで伝統的な料理として食べられている。実は米国でも、アパラチア山脈に囲まれたウエスト・バージニア州でシチューにして食べている。ホームレス風の男性がネズミを抵抗なく口に運んでいるところからすると、ネズミ料理がある地域で生まれ育ったのか。空腹で力が出ないようで、動きは緩慢だが、初めて食べるという雰囲気は感じない。
撮影していたのは女性で、この男性がネズミにかじりついた瞬間、驚きのあまり息を飲み、言葉にならなかった。また、「早くブロンクスから逃げ出さないと」と話し、恐怖を感じている様子だった。
市内のネズミは約300万匹 15年で急増
世界から大量の富が流れ込む「金満」ニューヨークで、人がネズミを食べて飢えをしのぐという、あまりにも衝撃的な出来事に行政側も見て見ぬふりはできないようだ。ニューヨーク市当局は男性の健康をケアするために身元を割り出し、ホームレスならば保護する方針だ。