皆さんは睡眠時間をしっかりとっていますか? 日本人は睡眠負債が溜まっているとよく表現されます。もし、6時間睡眠が続いたのならそれは立派な寝不足。仕事でミスが増えたり、ストレスを感じやすくなったりと色々な不調を引き起こしているかもしれません。今回は睡眠不足が起こすものについて紹介。

最近新型コロナの影響で時間短縮をしながら営業しているお店や、仕事を自粛している会社もあるでしょう。しかし、普段通りに仕事をしなければいけない方もいると思います。テレワークだからといって、仕事をしなくて良いというわけではありません。むしろ自宅で仕事をするようになったせいで、今まで以上に仕事量が増えている(今まで以上に仕事の連絡やテレカンが増えた、などの声もよく聞きます)こともあるのではないでしょうか?

自宅だからいいやといって、逆に睡眠時間が少なっている場合も注意が必要です。6時間睡眠がいかに脳や心に影響を及ぼすか、あなたは知っていますか? もしかしたら仕事のミスが増えているのは、気の緩みではなく睡眠の影響かもしれません。6時間睡眠が及ぼす影響についてご紹介します。

危ない! 6時間睡眠がヤバい理由

睡眠時間が6時間。あなたはこれを聞いてどう思いますか? 日本人は短時間睡眠の方が多いので、もしかしたらこれが「普通」のことだと感じてしまうかもしれません。

けれど“睡眠時間が6時間を切っていたら、それは睡眠不足”なのです。その睡眠不足は、注意力や集中力の低下の最大の原因になります。
ある研究では、睡眠時間6時間を10日間続けた結果、24時間徹夜したのと同じくらいの認知機能になり、またある研究では、6時間睡眠を5日間続けた結果、48時間徹夜したの同じくらいの認知機能になるということがわかりました。
ペンシルベニア大学の調査によると、「6時間睡眠を続けている人は、常に48時間くらい徹夜しているのと同じ集中力と注意力で仕事をしている」のだそうです。

それは当たり前の話ですが、集中力と注意力が落ちるということはミスも増えるし、結果も出しづらくなります。さらに、睡眠時間が少ないということは、慢性的な疲労やストレスを抱えている可能性が高くなります。

ストレスがかかるとコルチゾール(ストレスホルモン)の数値が上がります。そうなると、さらに注意力、集中力が低下します。慢性的な疲労、睡眠不足により血流が悪くなると、注意力や集中力の制御に関わっている 前頭前野に送られる血流が低下。これがまた注意力、集中力が低下する原因になるのです。

そして、慢性的な疲労により、ノルアドレナリンが低下します。ノルアドレナリンは副腎皮質から分泌されるホルモンで、血圧を上昇させるなどの役割があります。このノルアドレナリンもまた、注意力、集中力に関係していて、睡眠不足や疲労が蓄積されるとノルアドレナリンが枯渇して、いつかは「うつ病」になる可能性も。うつ病やその他精神疾患になる前は「うっかりミス」や「忘れやすい」などの症状があるのです。

6時間しか寝ないと

✔︎注意力や集中力が徹夜している状態くらいになり仕事でミスしやすくなる
✔︎慢性的な疲労やストレスの原因になる
✔︎うつ病やその他精神疾患の原因になる

これだけリスクがあるのです。

ショートスリーパーなら問題はない?

学説でも意見が分かれている「ショートスリーパー」。
まだ人間の脳についてはわからないことが多数あり、脳科学や心理学でもショートスリーパーはあり得るか、あり得ないか意見が分かれています。が、しかし「脳は勘違いをする」ということだけは言い切れます。

話を戻すと「6時間どころか4時間くらいしか寝てないけど、全然問題ないよ?」という人もいるでしょう。しかしそれは脳が勘違いを引き起こしている可能性が高いのです。睡眠が足りていない人ほど、自己洞察能力(自分が今どんな状態なのかを察知する能力)が低下しているので、「自分の睡眠時間はこれだけで大丈夫」と勘違いを引き起こしていることがあります。

自分の身体の認知機能が落ちるので、当然他の物事に対する認知機能も低下します。そうすると仕事でミスをする原因にも。それでも「私は大丈夫」と言う方のために、こんな調査をお伝えします。医師を対象にした研究で、睡眠不足の医師は、十分な睡眠を取った医師と比べると仕事を終わらせるのに14%も長く時間がかかり、ミスをする確率は20%以上も高かったというものです。もちろんわからないことは多く存在しますが、自分のためには「ショートスリーパーは存在しない」と考えておいた方が良いでしょう。