週刊朝日が休刊して、サンデー毎日に「気が抜けたような空気を感じたことがあった」という。ゲンダイもライバルがいなくなり、ゲンダイの紙面が微妙に変化してきているというのである。

「夕刊フジの持ち味であった、どこか都会的でスマートなタッチが、ゲンダイ紙面の行間にときどき感じられるのである」

 だが、ゲンダイという政権批判を売り物にしている泥臭さがスマートになれば、自ずからその先は決まったも同然であろう。

 私もゲンダイで連載(毎週土曜日)をしているが、今や、ゲンダイが一番売れるのは競馬のある日である。昔は、競馬専門紙と赤鉛筆を買って鼻を膨らませて競馬場に朝一で乗り込んだものであった。その専門誌の値段が上がったためゲンダイや東スポで間に合わせているのである。

 それに、昔の大川慶次郎のような「予想の神様」は今はいない。

 今の私は情けないことに、パソコンの前に座り、テレビでパドックの馬を眺めながらネットで馬券を買っている。

 これでは足腰が弱っていくのは当たり前である。昔々、作家の山口瞳や虫明亜呂無は健脚だった。必ずパドックへ足を運び、熟考し、穴場へ数百円(数千円ではない)を突っ込む。

 レースごとにこれを繰り返した。競馬をやる人間は健康になった。「競馬健康法」という本まで出たというとウソになるが、週2日、これをやるとゴルフなどよりも身体にいい。第一、もしかすると競馬場から万札を拾えるかもしれないのである。

 五木の話からそれた。同じ新潮で、古市憲寿と「昭和100年」について対談もしている。90を超えてまだ現役。小説も書いてくれないだろうか。『蒼ざめたジジイを見よ』『さらば老いぼれ愚連隊』『老人の門』などはいかがだろうか。

 ということで前置きが長くなったが、今週は目ぼしいスクープがないので順位なしでいく。

 最初はサンデー毎日から2本。

 1本目は、このところテレビでは見なくなったが、ジャーナリストの青木理のコラム「青木理のカウンター・ジャーナリズム」から。