ネタに関して石田が「バッテリィズがすごいのは、2人とも笑いを取ろうとしてないところ。寺家は良い情報をエースに教えてあげようとしていて、エースはエースで『騙されてなるものか』ってなってる。だから実はボケてないねんな」「全然新しくないけど新しい、みたいな漫才」といえば、くるまも「クラシックというか、めっちゃ昔の漫才ですよね。いとこい師匠(夢路いとし・喜味こいし)とかのフォーマットじゃないですか。それがあんなにスマートになるのが感動して」「マジであれを観て『漫才が一周回ったな』って思いました」と、それぞれの言葉で絶賛。

 さらに話は、もう1組のファイナルラウンド進出者である真空ジェシカの2本目にも及んだ。通称「ピアノがでかすぎるアンジェラ・アキ」のネタの中で、石田はどうしてもわからなかったところがあったという。

「静かすぎて隣の会場の長渕さんの歌が聞こえてくるっていうのを観た瞬間、『これは絶対、この後にもう一回来るぞ。どう来るんやろう!?』ってワクワクしてん。『俺やったらどうするやろ』『長渕さんのMCが聞こえるっていうのもあるなぁ』『セイ! セイ! もあるぞ』『川北くんやったら、どんなボケを用意してくんねやろ!?』ってグワーッと考えてたら、曲変わっただけやってんか。『……そんなはずない。あの川北くんがただ曲変えるだけなんてありえへん。そうなってるのには何か理由があるはずや』って、(『M‐1』終了後も)めちゃくちゃ考え続けてて」と、自他ともに認めるお笑いオタクらしく早口で一息にしゃべる。結末としては、「こないだ川北くんに会って、もう我慢できずに理由を聞いたら『あ、すみません、単純に作る時間が間に合わなかったんです』って言われて。はぁーー! この天才にもそんなことが……! ってなった(笑)」そうで、この一連を実に楽しそうに話す石田に対してくるまは「ワクワクしすぎですよ。顔がキラキラしてる」と笑っていた。