二世俳優たちの活躍が目立った2024年、最大の出世頭は沢村一樹の息子である野村康太だった。

イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、今、もっともときめきを供給する人、野村康太の魅力を解説する。
◆あざと可愛いが日本一似合う俳優?
あざと可愛いという言い方がある。これは、意図的に施された可愛さを意味するのだろう。あざと可愛い動作や仕草の主体である本人がキャラとして意図している場合もあるし、その主体に対して演出する側が意図的に施す場合もある。
例えば、バラエティ番組に出演するタレントが、わちゃわちゃしたひな壇の一角であざと可愛い雰囲気を率先して醸すことはよくある。これをそのままテレビドラマの世界で俳優に演じさせるとどうか。うーん、鼻白んでしまう。
でもどうだろう、『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京、2024年)に出演した野村康太に限っては、これもありだなと思わせてくれた。いや、それどころかむしろ、どんどんあざと可愛くやってくれと頼みたくなるくらい。あざと可愛いが日本一似合う俳優だとひとまず記憶されるべき存在なのだろうか?
◆混ぜるな危険要素
松本まりか主演の『夫の家庭を壊すまで』は、主人公・如月みのりが別の女性ともうひとつの家庭を作り、二重生活を送る夫をじりじり追い詰める復讐ドラマである。野村が演じたのは、そのもうひとつの家庭の息子・三宅渉役。
みのりはまず渉に近づくため、彼が通う予備校の講師になる。渉は、大人の雰囲気のみのりを恋慕してしまう。第3話、みのりと渉が海辺のレストランでお茶を飲む場面がある。渉からしたら、このシチュエーションは、初めて体験するドキドキデート。夢のような心地のあまり、つい無防備になってしまったのか。アイスドリンクを飲んだ口元いっぱいに、泡を付着させる。