不思議な数字マジックといいますか、現実問題、この年齢バイアス及びステレオタイプ、存在すると私も感じます。と言いますのも、私はラジオの人生相談コーナーを聴くのが結構好きでして。
相談電話で非常に若々しいお声の女性が出られた際、だいたい45歳位かな?などと脳内で瞬時に相談者の容姿を勝手に想像するのですが、予想に反して、例えば60代後半だと分かった途端、脳内でその方の「見た目イメージ」が一気に変わる瞬間があります。
これは私自身、非常に反省すべき点なのですが、皆様、その年齢に則した勝手な外見イメージ、自分の中に確立されていませんか? 本当に不思議ですが、40歳女性ならこんな感じ、70歳男性なら……と、髪の色から背格好、服の雰囲気まで、そのステレオタイプが漠然とでき上がってしまっているのです。
◆年齢という数字の“呪縛”
私は今年40歳になりますが、この「40」、最強の「不惑」感、大人感を孕(はら)んでいませんか。見た目が35歳くらいにひと様からは見えていたとしても、実年齢を伝えた途端、その数字イメージが一人歩きをはじめる感覚があります。「意外と年齢いっているんだね!」みたいな。
この「年齢、数字にこだわる文化」と言うのは日本、特にもしかしたら東アジア文化圏に多いのではないかとも感じます。例えば、アメリカのテレビ報道を参照してみた際、ある歌手がトランプ大統領の就任式で歌を披露するというニュースの際、わざわざかっこ付けで彼女の年齢を伝えることはしないでしょう。これが日本でしたら、読み上げないにしても、名前の横に(〇〇歳)の表記が文字スーパーでつけられることが時折ある気がします。
見た目がフレッシュで、自分自身意欲満々に日々を送っているはずなのに、(〇〇歳)という数字の呪縛が後ろから急に襲いかかってくるのです。それがプラスの作用を及ぼすなら良いのですが、むしろ逆にさまざまな思い込みを他者に与えかねないというのが現実問題存在する訳で。