しかし、あのネタは太田さんのボケ役としての才能も光っています。太田さんはとぼけたキャラになりきるのがうまく、このネタでも斉藤氏が目立ちはしますが、笑いどころは太田さんが持っていっています。斉藤氏は『最後の一押し』を担っているように見えました。そしておたけさんは、この二人のやりとりと物語をより前に進める役割になっていました。

 斉藤氏は、自身のキャラクター性でジャンポケのネタの世界観をさらに飛躍させたり、よりおもしろい形へ壊したりしていた存在です。つまりプラスアルファを生む存在だった気がします。ですので、斉藤氏が抜けたことで『マイナスになる』というよりも、それまであった『プラスアルファ』がなくなったということかもしれません」

 新生ジャンポケはどんなコンビになりそうなのか。前出の田辺氏が続ける。

「新生ジャンポケは、コントだけではなく漫才にも力を入れると聞いています。コントをやる上では、斉藤氏という奇抜なキャラ系芸人がいなくなったことで、以前よりインパクトに欠けたり、物足りなさを感じたりするかもしれません。でも逆に言えば、斉藤氏のキャラクター性が強く求められる状況から抜け出すことで、ストーリーラインをより重視したコントを作り出せるかもしれない。漫才においても、太田さん、おたけさんの人間味をネタに盛り込むことができるかもしれません。劇場でネタをやりこんでいけば、大きく飛躍するチャンスはあるのではないでしょうか」

斉藤の芸能界復帰「間違いない」

 コンビとして再出発したジャンポケだが、太田とおたけはスポーツ紙などの取材に対し、斉藤の復帰の可能性について言及。「もちろんそれは全然ゼロじゃない。別にお互いが嫌いで分かれたわけでもないし、解散してるわけでもないんで」「事が収まっていつしか吉本の劇場にゲストとかで来られるようなね、世の中がそれがOKにしてたら多分吉本もOKにはなると思うんで」などと話し、将来的な共演もあり得ると示唆した。