◆ジューシーな肉質、衣がおいしいのは

(左から)セブン、ファミマ、ローソン
(左から)セブン、ファミマ、ローソン
 次に味の違いです。唐揚げ全体の味付けとしては、ファミマが濃いめ。しょうゆ風味がしっかり感じられ、にんにくがしっかり効いていて、パンチのある強さを感じます。

 一方ローソンは上品でまろやかな味付けで、ファミマの逆を行く世界観。セブンも比較的あっさりとしています。

 衣の厚みは、ローソン→セブン→ファミマの順。ローソンのサクサク衣が絶妙においしく、複数個を味わうなら間違いなくコレ。唐揚げ弁当にゴロゴロ入っていたらうれしいのはローソンです。

 ファミマは1個食べた時の満足感という点ではインパクトがあり優秀。にんにく感で好みが分かれる可能性もあります。

 また、肉のやわらかさやジューシーさを比べると、ローソンが秀逸。しっとりジューシーな肉質は冷めてもおいしく、断面を見てもパサパサ感はゼロでした。

 ファミマはブリッとした肉感があり、セブンは衣を目立たせる控えめながらもやわらかさが印象的です。

◆3社に共通していたのは、脂っこくないこと

唐揚げ
 まとめると、強い個性感じる大ぶりな唐揚げはファミマ、しっとりジューシーでまろやかな味わいで飽きずに食べられるのはローソン、スナック感が楽しめて衣と肉のバランスが良い教科書的な唐揚げはセブンと言えるでしょう。

 同じ人であっても、一緒に合わせる食べ物やおなかのすき具合、気分によって違う選択肢になる可能性は大いにあるなと感じました。

 そして3社に共通して感じたのは、脂っこさがなく、食べた後のもたれるような重さがないこと! これはコンビニ唐揚げのレベルが確実に上がっている証であり、今後各社がますますしのぎを削って、おいしい改良が重ねられることを期待してしまった体験にもなりました。

 さあ、みなさんはどのコンビニが気になりますか?

<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】