アラフォーの転職理由の多くが「体力的にきつくなってきた」、「職場の人間関係がうまくいってない」、「収入が少ない」など。40代になると転職したい理由があっても年齢的な不安があり、なかなか一歩が踏み出せない人も多いようです。「35歳転職限界説」が崩れたといわれて久しいですが、40代女性の転職事情はどうなっているのでしょうか。

転職先が40代に求める能力って?

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40代の転職で求められるスキルのひとつは「マネジメントスキル」です。マネジメントスキルとは、トップの考えを現場にかみ砕いて示すことで、現場がどう動けばいいのか統率する力のこと。

20代、30代の転職者の場合、長く活躍してくれて組織へ貢献してくれる「プレーヤー」としてのスキルを重視される傾向がありますが、40代以降になると、プレーヤーとしてだけでなく、後進を育てたり会社を盛り立てたりできる力が重要ということです。

では、40代が転職するためには管理職経験が必須かというとそうではありません。管理職についたことがなくても、転職している人たちもいます。こういった人たちは、年齢に応じた専門スキルや経験が評価される傾向があります。

転職先で求められる能力を気にすることも大切ですが、「自分の経験を新しい職場でどう活かせるか」を考えることが重要ということですね。

親の介護?年収アップ?40代オンナの転職事情

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40代で転職している女性がどれくらいいるかですが、総務省の調査によると、過去1年以内に転職を経験した35~44歳女性の割合は、6.0%になっています。

転職を選んだ女性の転職理由は、厚生労働省の平成29年度雇用動向調査の結果によると、以下のようになっています。

  • 労働時間、休日等の労働条件が悪かった:25.7%
  • 定年・契約期間の満了:23.8%
  • 職場の人間関係が好ましくなかった:22.2%
  • 給料等収入が少なかった:17.3%
  • 会社都合:16.6% 同調査によると、介護・看護を理由に転職をした人の割合は2.2%でした。

    さらに、転職した結果はどうなっているかというと、転職して収入がアップした人の割合は40~44歳で37.1%、45~49歳で32.3%ですが、収入がダウンした人も27.0%、29.1%とほぼ3割でした。

    40代未経験でも正社員になれる噂の業界の実情

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「転職するなら、正社員として働く職場を目指したい」と考えて、活動をしている人も多いでしょう。「40代未経験でも正社員をめざせる」と言われている職種にはこんなものがありますよ。

介護関係

少子高齢化に伴い社会的需要が高い職種です。実務を重ねながら資格を取得すれば、介護福祉士、ケアマネージャーなどキャリアアップも可能。

医療事務

業務処理の正確さとスピードが要求される大変さはありますが、患者様から感謝される受付業務にやりがいを感じられます。有資格者や経験者が優先される傾向があります。

保険営業

未経験でも始めやすく、女性が働きやすいように福利厚生面が充実しています。営業に向いている人は長く続く傾向がありますが、自営業と同じ形態になるため、契約が取れなければ収入が安定しません。

転職成功に必要なこと

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あなたが転職を考えているなら、「これまでの経歴の中から自分になにができるのか」を考える「スキルの棚卸」が必要です。40代の転職者に求められる能力の1つにマネジメント能力をあげましたが、マネジメント能力以外にも「即戦力」としての活躍が求められるからです。自分が今後どのような働き方をしたいのかを含めて、整理することが大切です。

転職したいと感じたときからすべきこと

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また、転職に成功するポイントは情報量です。検索型の求人サイトはもちろん、エージェントにも登録しましょう。つきたい職種が求める人材や、必要な資格の情報を幅広く集めることができます。

転職エージェントに登録することで、キャリアコンサルタントに転職相談もできます。活かしたいキャリアがある人は、生かせる方法や職業・業界について相談することで、自分で思い付かなかった道が開ける場合も。

転職を希望する業界や職種に資格が必要な場合は、通信講座や学校に積極的に通いましょう。資格によっては、教育訓練給付制度を利用できることがあり、受講費用が戻ってくることがありますよ。

人脈から転職先が舞い込むことも!気長に活動を続けて

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転職サイトやエージェントを利用する以外にも、人脈を利用して、転職した元上司や同僚に声をかけてみる方法もあります。いい話があっても元上司や同僚から切り出しにくいということがあるかもしれません。「将来の夢」のような形で「こんな業界(職種)で働きたいと思っている」くらいの話をして種を蒔いて損はありません。

同じ理由で、友達に思い切って声をかけておくと紹介の話が期待できます。友達の会社の業務拡大などで募集をすることもあるでしょうし、友達が知り合いに話してくれ求人の情報がもらえる場合も。人に話すことで転職がうまくいく可能性は広がっていくのです。新しい人脈も積極的に作っていきましょう。

新卒時代の就活で苦労した人も多いと思いますが、転職活動もすんなり決まることは稀です。「自分がどのようにしたいのか」少しずつ整理しながら、気長に活動を続けましょう。

文・藤原 洋子(ファイナンシャル・プランナー)

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