米3大テレビネットワークのCBSなどが2月末に実施した世論調査では、給与がインフレに追いついていないと考えている市民が77%に上った。多くの家庭では、このままでは、手持ちの預金などを食いつぶしていかないと生活が成り立たないことになる。
トランプ関税がカード破綻の背中を押すか 国家経済脅かす一極集中
トランプ政権がいったん発効したカナダ、メキシコへの25%の関税が、猶予期間後に再び発効されれば、1世帯あたり年間最大で2000ドル(約30万円)の負担増となると試算されている。関税導入は家計の破綻の背中を押しかねない。
そして、もっとも恐れられているのは、上位10位による消費が止まった時の米国経済へのダメージだ。経済を支える要素が上位10%の消費に集中している米国経済は脆弱で、崩壊のシナリオを真剣に考える必要がないほど危うい状況にある。
株価や資産価値が一気に落ち込むことは、この数十年で世界経済は何度も経験してきた。国際的な常識を乱すトランプ大統領の政策が米国の信用を棄損させ、株価や資産価値に大きな影響を与える事態は容易に想像できる。
世界は「米国経済崩壊」の時のために、身構えなければならない。
(文=言問通)