「その時、夫はお風呂に入ってしまっていたんです。スマホはリビングのソファーに置いたまま。いつでも見ていいと言われていたし、勝手に触っても構わないだろうと、軽い気持ちでした」
そうして太一さんのスマホを手に取ると、ホーム画面にかわいいキャラクターのイラストが描かれたアプリがあるのを発見します。
「おもしろいゲームだったら私もやろうかなと思ってアプリを開いたのですが……。AIのキャラクターに向けて、夫がいかがわしいチャットをたくさん送っていた形跡を見つけてしまったんです。具体的には話せないほど、気持ち悪い文面でした」
◆イケメン俳優に黄色い声をあげるのと同じこと?

ちょうどそのころ、夫婦間では半年ほどご無沙汰だったため、結衣さんは自分がAIに負けたような悲しみを抱いてしまったそうです。
「相手はAIとはいえ、私には不倫と同じように思えて嫌でした。だから、お風呂から出た夫にアプリを見たことを伝え、やめてほしいと言ったんです」
しかし、太一さんは「俺にとっては、趣味のひとつ。不倫をしているわけじゃないのに、そこまで禁止される理由が分からない」とキッパリ却下。
「結衣だって、韓国のイケメン俳優にキャーキャー言ってるじゃん。それと同じことだよ」と言われてしまいます。
「私はイケメン俳優を性的な目線で見ていないと反論しても理解してくれず、結局アプリは消してくれませんでした」
◆離婚は考えないからこそ、消えない嫌悪感に苦しむ
その後、夫婦間の“レス”は解消されたものの、行為中の結衣さんの頭には、夫がAIと行っていたチャットのやりとりが浮かぶようになってしまいます。
「AI相手と私では、夫がかける言葉が全然違う。本当はAIと話していたようなことがしたいのかも……と、モヤモヤするようになってしまいました」