そんな成猫期を過ごしながらも、飼い主さんとの二人三脚によって、マメくんは“シニア猫”になるまで年齢を重ねていきました。
1日でも長生きしてほしいと願う飼い主さんは、腎臓サポートのフードを用意するなど食事面にも気を遣いながら、一緒に過ごせる時間を大切に積み重ねていきました。
◆ともに「甲状腺機能亢進症」の治療に励んだ日々

通院にも大変な負担が伴うため、飼い主さんは往診専門の獣医師を呼び、検査をしてもらうことに。すると、「甲状腺機能亢進症」と診断されました。
甲状腺機能亢進症は、甲状腺のホルモン過剰によって発症する病気です。
10歳以上のシニア猫でみられることが多く、「よく食べるのに痩せる」「多飲多尿」「落ち着きがなくなる」などの、様々な症状が現れる病気でもあります。
マメくんは投薬治療をしながら、経過観察することになりました。治療開始から2か月ほど経つと数値が落ち着いたため、飼い主さんはほっと一息。

「薬を減らすとふらつきは収まりましたが、次第に肝心な甲状腺の数値や腎臓の数値が悪くなってしまいました」
病気の発覚から5か月ほど経った2024年7月には、衰弱した様子に。飼い主さんは1日置きに往診を頼み、点滴をしてもらったと言います。

「外出しても、理由もなく涙が流れ、止まりませんでした。マメは帰宅時にいつも出迎えてくれていました。あの子が玄関にいない現実に、涙が止まらなかったんです」