結婚や出産を機に、ライフスタイルが変わるという人は少なくありません。結婚相手の男性の年収によって、結婚後の生活はどのように変わるのでしょうか。

今回は、結婚相手の年収別で見た女性の結婚ライフについてご紹介します。

結婚する男性に求める年収は平均いくら?

結婚式・披露宴会場運営のアニヴェルセルが2015年に実施した調査では、結婚相手の男性に女性が望む年収として500万円以上と答えた女性が、全体の1/3以上でした。20代、30代の年代別で見ても、多くの女性が相手に500万円以上の年収を希望していることが分かります。
(こちらも参考に⇒結婚する男性の年収いくら必要?

なお、DODAの「平均年収ランキング2016」によると、30代の男性ビジネスパーソンの平均年収は501万円で、最新である2015年発表の国税庁「平成27年分 民間給与実態統計調査」では、30代男性の平均収入は480万円でした。女性が希望する結婚相手の年収として500万円程度というのは、ほぼ平均額であると言っていいでしょう。

結婚相手の年収で暮らしはどう変わる?

では、子どものいる家庭が一般的な生活水準で暮らすには、世帯にどれほどの収入があればよいのでしょうか。2016年に実施された「埼玉県最低生計費資産調査」には、

  • 30代夫婦
  • 子ども2人(小学生、幼稚園) 【年間生計費=約600万円】
    という結果が出ています。これをもとに、夫の年収別で見てみましょう。

    結婚相手が年収400万の場合

    先ほど挙げた最新版「民間給与実態統計調査」によると、男女合わせた給与所得者の平均給与は420万円となっています。結婚相手の男性の年収が400万円の場合、正規・非正規含め、働く人の平均程度であると考えておくとよいでしょう。

    例に挙げた30代・子ども2人家庭で、夫の年収が400万円だった場合、妻は約200万円の年収が必要ということになります。このケースでは、妻が月に約17万円程度の収入が得られれば、困らずに生活していくことができるでしょう。

    結婚相手が年収200万の場合

    同じく例の30代・子ども2人家庭で夫の年収が200万円の場合、逆に妻の年収は約400万円ないと年間生計費が不足してしまいます。

    19歳以下~70歳以上の平均収入については、同じく2015年の「民間給与実態統計調査」で見ると男性が521万円、女性が276万円と出ています。年収200万円は、男性の平均年収の半分以下、女性の平均年収よりも低いことになりますね。

    夫の年収が200万円なら、妻はその約2倍程度稼いでいることに加えて、子どもができた後も妻の年収は維持する必要があることを意味します。

    結婚相手が年収1000万の場合

    ここで夫の年収をグンと上げ、1000万円としたらどうなるでしょう。こちらも2015年の「民間給与実態統計調査」で年収1000万円超、1500万円以下の男性を見てみると、働く男性全体の4.5%とあります。

    2016年の「埼玉県最低生計費資産調査」には

  • 40代夫婦
  • 子ども2人(小学生、中学生) 【年間生計費=約650万円】
     
  • 50代夫婦
  • 子ども2人(大学生、高校生) 【年間生計費=約820万円】

    と2つの家庭モデルが示されています。この2ケースでは、夫の年収が1000万円であれば、妻が専業主婦などで収入がなくても、ゆとりある生活をしていくことができそうですね。

    ただし、マイナビフレッシャーズが年収1000万円の人を対象に実施したアンケートによると、「年収1000万円以上あるからこそのプチ贅沢自慢はあるか」という質問に対して、「はい」と答えた人は32.5%と、全体の約3割にとどまっています。

    「はい」と答えた人の中には、「1年に1回海外旅行へ行く(30歳女性)」など、「いいえ」の回答者には「都心に住んでいて家賃が高く、生活費や子どもにもお金がかかるから(女性30歳)」という意見がありました

    夫の年収が1000万円以上であれば、妻が専業主婦もしくは収入が低いといった場合でも、お金の面で暮らしに支障が出ることはあまりないといえるでしょう。ただし、年収に伴った税金、収入層に合わせた住居費や子どもの教育費などを考えると、特別に贅沢な暮らしができるわけではなさそうです。

    (写真=TORWAISTUDIO/Shutterstock.com)

結婚相手が年収2000万の場合

2016年の「埼玉県最低生計費資産調査」では、夫の年収が2000万円を超えて2500万円以下とされる世帯は全体の0.3%、2500万円超の世帯は0.4%という結果でした。

ここで、文部科学省が2014年に実施した「平成26年度子供の学習費調査」から、子ども1人にかかる教育費を見てみましょう。

子ども1人が幼稚園から高校まで全て私立の学校へ通った場合、かかる教育費の総額は1769万9263円となっています。夫の年収が2000万円であれば、仮に子どもが2人いるとしても教育費の上限が上げられるため、幼稚園から高校まで私立の学校へ通わせ、さらに大学進学の際にも困ることはなさそうです。

(公立私立パターン別教育費はこちらも参考に⇒結婚相手に求める最低年収は?結婚できる年収、できない年収

年収が2000万円以上ともなると、税金負担が大きくなるといった支出のデメリットはあるものの、平均を上回る暮らしは可能になると言えるでしょう。

結婚相手の年収次第で生活も変わる

結婚相手の収入が高ければ、生活水準や暮らしにかけられるお金も増え、生活にゆとりが持てるようになるのは確かでしょう。ただし、夫の年収が高くなくても、女性も働いて世帯年収を上げることで、お金に困る可能性は低くなります。

また、現在は今現在の年収が高くても、勤め先の業績不振やリストラなどで、突然、収入が減ってしまう可能性は否定できません。稼ぎはしても出費も多かったり、そもそもあまり貯蓄や資産運用をしていなかった、退職後も生活レベルを下げられず貯蓄を使い果たしてしまった……なんていう状況も考えられます。

結婚を決めるときは相手の年収だけで判断せず、金銭感覚などの価値観や性格などをしっかり見極めることが大事です。とはいえ今回ご紹介したように、子どもを持ちたいと思えば、ある程度の世帯収入は必要ですし、常に収入を維持して共働きし続けられるわけではありません。

贅沢はしなくとも暮らしに困らない家庭を築くためにも、収入面をおろそかにすることなく、結婚相手に求める条件をバランスよく見て判断するといいですね。

文・Y子(フリーライター)/DAILY ANDS
 
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