「最期はお気に入りだったキャットタワーの2段目で、痙攣しながら胃液を吐きました。正直、もっと早くセカンドオピニオンを受けていれば助かった可能性はあったかもしれません」
◆選んだ看取り方が正しかったのかと自問自答する日々

何が正しい判断だったのか。他にできることはなかったのか……。そんな疑問や後悔は、今も心から消えることはありません。
「なっちゃんの仏壇には今でも毎日必ず、『おはよう』や『ただいま』、『仕事行ってくるね』、『おやすみ』と言っています。お気に入りだったペンギンのぬいぐるみには、まだ匂いが残っています」

動物を亡くした悲しみはまだまだ軽視されやすいものですが、当事者の声を聞くと、小さな家族であっても弔う時間を持てる社会であってほしいと願いたくなります。

最期まで猫らしく生き、家族を愛したなっちゃん。その体は隣にいなくとも、飼い主さんにとっては、いつまでもかけがえのない愛猫です。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291