◆ニュース解禁時、自分の誕生日よりもLINEが来た

映画『ベルサイユのばら』
©池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
――もともと『ベルサイユのばら』やオスカルへの印象は。

沢城:宝塚のトップの方がオスカルと(マリー・)アントワネットの衣装を着ているポスターの、漠然としたイメージでした。最近だとLINEのスタンプの印象もありました。

 オーディションのお話が来てから、テレビアニメ版を拝見して、原作を拝読していきました。なのでしっかりと把握したのはオーディションがきっかけです。

――では発表になったとき、改めてファンの多さや熱さに驚かれたのでは。

沢城:たしかに自分の誕生日よりも連絡が来た気がします(笑)。タカラジェンヌの友達や、小学校のときの友達からも来たり。

 私にとっては、大作でもオリジナル作品でも向き合う姿勢に変わりはないのですが、こんなに反響のある作品に参加させていただくのだなとは思いました。

◆恋愛感情を抱くフェルゼンを前に、より男らしく

沢城みゆきさん
――沢城さんだからこそのオスカルとして、どんなところを目指しましたか?

沢城:原作を読んで、こんなにやんちゃなキャラクターなんだと驚きました。

 彫刻のように美しい(テレビアニメ版の)田島令子さんのオスカルもステキで大好きですが、今回の劇場アニメに関しては、「池田先生の原作の中にあるオスカルを、できるだけ映像の中に」というスローガンがありました。

 なので口が悪かったり、無鉄砲な感じのある、全然立派じゃない、イキイキと年相応なオスカルの雰囲気を入れ込んで、原作の伸びやかなオスカルのエッセンスを少しでも感じていただけたらと思いました。

――オスカルは男装の麗人ですが、声の変化で気を付けたところはありますか?

沢城:(ハンス・アクセル・フォン・)フェルゼン(加藤和樹)に対するオスカルの初めての恋と、いつの間にか芽生えていたアンドレ(・クランディエ、豊永利行)への愛の差を丁寧に意識しながら演じたので、シーンごとに音色が変わって聞こえるかなと思います。