◆タオルを貸してもらって好印象

 そんな佐竹さんがおかしいなと思ったのは、夫の態度でした。あるとき、いつものレッスンでスタジオに入ってからタオルを忘れてきたことに気づいた佐竹さんは、汗を拭くものがなくて困っていたそうです。

 隣にいたのがたまたま例の夫婦の旦那さんのほうで、休憩のときにタオルがないとほかの人と話す佐竹さんの声を聞きつけ、「これ、きれいだから使っていいよ」と差し出してくれました。

 申し訳ないですと慌てて断る佐竹さんに、「困ったときはお互いさまでしょう」と笑顔を向けてくれる旦那さんはイメージ通りの爽やかさだったといいます。

 外でマシンを使っている奥さんが目に入り、普段から仲良くしている親しさもあって「後で話しておこう」と佐竹さんはお礼を言ってタオルを受け取りました。

 レッスンは無事に終わり、ロッカールームで奥さんを見かけたので「旦那さんにタオルをお借りしました。ありがとうございました。洗って持ってきます」と改めてお礼を言うと、「あの人は困っている人を放っておけない性格なの。助けになってよかったわ」と返してくれてほっとしたそうです。

◆お茶に誘われて困惑

 ところが、問題はその後。洗濯したタオルを持って旦那さんのもとへ行くと、「わざわざありがとう」と受け取りながら、「あなたはいつも熱心にレッスンを受けていて、前から気になっていたよ。今度お茶でも行かない?」と何のためらいもなく口にする姿に、佐竹さんは驚きます。

お茶に誘われて困惑
「『え、これってナンパじゃないの』と思いました。話すのは二回目で、仲良くもないのにこんな簡単に女性を誘うのが怖かったです。しかも、奥さんがすぐそこにいるのに」

 当然その誘いに乗る気はまったく起こらず、丁重にお断りした佐竹さんでしたが、それからも旦那さんは馴れ馴れしく声をかけてきます。

◆妻に隠れて女性に声をかける夫

「旦那さんが話しかけてくるときは必ず奥さんがいないときで、『ウェアを見に行かないか』とか『コーヒーのおいしいお店がある』とか、ジムの外で会う提案ばかりするのですよね。でも奥さんとふたりのときは絶対にほかの女性とべたべたしないし、そんな使い分けみたいなのがわかってくると余計に恐怖でした」