転職直後に育児休業給付金がもらえるのか、育児休業給付金の仕組みや条件の解説とあわせて、給付金を活用した資産形成について紹介します。
育児休業給付金とは?
育児休業給付金とは、育児休業を終えて職場復帰することを前提に雇用保険から給付される給付金です。育児休業開始日から子どもが1歳になる日の前日まで給付を受けることができます(給付対象期間の延長に該当する場合は1歳6ヵ月あるいは2歳まで)。
休業中に収入がなくなってしまうことを避けるためのもので、男性も育児休業を取得した場合には給付を受けられます。
転職したばかりでも育児休業給付金は受け取れる?
育児休業給付は雇用保険の一部として支給されるため、転職前から引き続き雇用保険に加入していれば転職の直後であっても、次の給付条件を満たすことで受け取ることができます。
【給付条件】
- 雇用保険の被保険者
- 育児休業開始日から遡った2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヵ月以上ある人
- 育児休業中に休業開始時賃金日額×給付日数(通常30日)の8割以上が支払われていないこと
- 育児休業中の就業日数が月10日以下であること
給付条件を細かくチェックしていきましょう
賃金支払基礎日数の条件をクリアしていればOK
ポイントは、育児休業開始日から遡った2年の間に、賃金支払基礎日数=基本給の支払対象となっている日数が11日以上ある月(完全月)、これが12ヵ月以上あるかです。
ただし、この期間中に第1子の育児休業を取得したり、本人に疾病があった場合などは、条件を満たしていなくとも受給対象になることがあります。
雇用保険に加入していた期間は通算できる!
この「育児休業開始日から遡った2年間」について、転職後1年も経っていない人の中には完全月が12ヵ月以上あるか、不安な人もいるでしょう。
この「2年間」には転職する前に働いていた期間も通算して判定されます(転職前の会社で、雇用保険に加入していたことが条件)。
転職前に失業保険受給資格者となっている場合は?
ただし、転職前に失業保険(基本手当)を受給していた場合は、前の会社で働いていた期間は通算することができません。この場合は、転職後に育児休業給付金の給付条件を満たす12ヵ月以上の勤務が必要となります。
また、基本手当を受給しなかった場合でも、通算の手続きには前職の離職票(原本)が必要です。退職時には必ず離職票を受け取り、処分したり失くしたりしないように注意しましょう。
育児休業給付金はいくらもらえる?
では、育児休業給付金はいくらもらえるのでしょうか。ここでは育児休業給付金の計算方法を紹介します。
年収によっては、トータルで数百万円もらえることも!
育児休業給付金を申請するには、申請書の記入や賃金を証明する書類の添付が必要です。一般的には会社経由で申請を行います。個人でも申請可能で、いずれも申請先は勤務先の所在地を管轄するハローワークです。
育児休業給付金の給付額(1ヵ月あたり)の計算式は以下のとおりです。
【育児休業開始から180日】
休業開始時賃金日額×給付日数(通常30日)×67%
【育児休業開始から181日目以降】
休業開始時賃金日額×給付日数(通常30日)×50%
休業開始時賃金日額とは、育児休業開始の前6ヵ月間の賃金を180で割ったものです。ここで言う賃金は通勤手当や残業手当、住宅手当などを含む額面金額です。
例えば、月額平均20万円程度なら休業開始から6ヵ月は月額13万4,000円程度(67%)、6ヵ月経過後は月額10万円程度(50%)が給付される計算です。原則として子どもが1歳になるまで給付を受けることができるため、年収によっては合計で数百万円になることも!
2014年4月1日以降、育児休業給付金は増額
2014年4月に給付率が見直され、育児休業開始から180日間は50%から67%となりました。また、給付額には上限・下限額が設定されており、1ヵ月あたりの上限は給付率67%で30万5,721円、50%で22万8,150円です(2020年8月1日時点)。
これらの金額は毎年8月に見直される場合もあるので、対象となりそうな人はチェックしておくといいでしょう。