在メキシコ米国商工会議所が2024年に実施した調査によると、「カルテルが商品の販売、流通、価格設定の一部を握っている」と考えている企業は12%にのぼった。半数が自社製品を運ぶトラックがカルテルに襲われた経験があると答え、45%がみかじめ料などを要求されたことがあった。
カルテルはメキシコ社会の広い範囲に食い込み、進出する海外企業がカルテルの活動から隔離されて経済活動を営むことは困難だ。
米国ではこれまでも、強硬派の国会議員からカルテルの「テロ指定」を求める声はあったが、歴代政権は「テロ指定」すれば、米国企業はメキシコで商売ができなくなるとの判断から、指定を避けてきた。
「禁断のテロ指定」が大統領令として放たれたとなると、経済人のみならず一般の米国市民も身構える。
(文=言問通)