不動産購入の前に知っておきたいこと
再建築不可やセットバックが必要な建物でも、建築確認が不要な範囲内でのリフォームができる。これらの物件は周辺相場に比べて価格が安い場合が多く、格安な物件を探すことも可能だ。前に説明した通り建築確認が不要な場合は、劇場や映画館・病院・学校などの特殊建築物と大規模建築物とその他の一般建築物で異なる。この3つの場合で知っておくべき事について説明する。
まず特殊建築物は、用途変更を行わければ大規模修繕・大規模模様替えに当たらない範囲でのリフォームが可能だ。用途変更をしないという条件があるので、学校経営や病院経営などの同業を営んでいる方であれば、経営拡大の対象物件として良い選択肢となる。
次にアパートや豪邸などの大規模建築物の場合には、大規模修繕・大規模模様替えに当たらない範囲でのリフォームが可能だ。大規模修繕・大規模模様替えが不要な物件であれば、良い投資対象となる安価な物件が見つかる可能性がある。
そして、戸建て住宅などのその他の一般建築物は、大規模修繕・大規模模様替えが可能だ。居住用としても賃貸目的の購入でも購入検討の範囲が広がる。
さらに建築確認が不要なリフォームであれば、不動産の課税評価額もリフォーム前と変わらないことをあわせておさえておこう。再建築不可やセットバックが必要な物件は課税評価額も低く、毎年課税される固定資産税と都市計画税も低く抑えられる。また課税評価額が低ければ、不動産購入時の不動産取得税と登録免許税も少なくなる。このように税金を低く抑えられることもこれらの物件を購入する利点でありメリットだ。
注意しなければならない事
再建築不可やセッツバックが必要な物件については、これまで説明したように建築基準法の制限を避けてリフォームすることをお勧めする。これらの物件では建物を取り壊した後に新しく建物を建築できないからだが、もしもこれらの物件で再建築したいという場合には、注意が必要だ。
再建築不可の物件では、接道条件を満たすなどの対応で基準をクリアするかもしれないが、そもそも基準をクリアできる方法があるのか、周辺の用地購入でクリアできるとしてもそれが購入できるかなどの問題がある。また、本来の購入物件と周辺用地の購入が遅滞なく行えるかということも問題になる可能性がある。これらを間違いなく行う必要があるため、手間がかかり少しハードルが高くなってしまう。
また当然のことだが、再建築不可のままでは住宅ローンを申し込めない。再建築可能となる条件を全て整えてからでないと住宅ローンを利用できないので、留意しておくべきだ。
またセットバックが必要な物件に新築する場合、セットバック後に敷地が利用できる面積と周辺の参考価格を比較して価格的に大きなメリットがある場合に、購入検討するべきである。その場合、建物があればその解体・整地費用を加えた価格と周辺更地の価格を比べることが必要だ。
不動産購入はより広い視点で有利な物件を探すべき
不動産の購入目的は自分が住むのか売却するのか、賃貸にするのかなど様々だ。その際に目的によっては再建築不可やセッツバックが必要な物件が魅力的になる場合もある。また、再建築不可の物件にはデメリットがあるがデメリットだけに注目すると、自ら選択肢の幅を狭めてしまうことになる。
再建築不可やセットバックを理解することは、より有利な条件で物件を購入する方法の一つと考えてはいかがだろうか。
文・ZUU online編集部/ZUU online
【こちらの記事もおすすめ】
>1万円から始められる投資って?
>リスク許容度がわかる10のチェックリスト
>「おつり投資」「ポイント投資」って?
>楽ちん「投信つみたて」とは?
>投資のはじめの第一歩