中居は国民的アイドルグループの元リーダーであり、冠番組をいくつも持ち、名MCとして知られる超有名人だが、当初マスメディア、特にテレビはこれをスルーしようとした。もちろん事件に加担したといわれる当事者のフジテレビもしかり、だ。このまま嵐が去るのを待てば今まで通り、喉元すぎればなんとやら――。そんな安易な思惑だったのだろう。実際、そうなりかけていた。
ところが、今回もまた“外圧”が降臨した。フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスの株主2位の米投資グループ「ダルトン・インベストメンツ」がフジの対応に激怒、「我々は憤慨しています」と第三者委員会の設置を求めたのだ。
フジは震え上がった。速攻で定例会見を前倒して社長会見を行った。そして港浩一社長ら幹部が第三者の弁護士を中心とする調査委員会を立ち上げることを発表。なんとも情けないが、しかしフジはまだまだ狡猾だった。この調査委員会は自分たちの都合の良い人選が可能で、日弁連(日本弁護士連合会)のガイドラインに基づくものではなかったからだ。
そもそも港浩一社長自身が、女性局員やアナによる“異常な接待文化”を作った張本人の1人との報道もあるから、過去をほじくられるとヤバイということもあるのだろうか。
今回も露呈したメディアの性加害に対する問題意識の希薄さは、こうした人物がいまだに企業幹部として鎮座していることに他ならない、そう考え得ざるを得ない事態でもある。
当然、フジの報道も噴飯物だった。1月20日、情報番組『めざまし8』ではこの問題を取り上げたが、MCの谷原章介は、「今、世の中で出回ってる情報は臆測であったり伝聞であったり、きちんと裏が取れてない情報というのが本当に数多く出回っている」などとエクスキューズし“臆測や”伝聞“という言葉を繰り返した。その上で「臆測ではなく、われわれが確証、確信を持ってお伝えできる情報のみを、お伝えした」などと発言したのだ。