青森県青森市の八甲田エリアは、火山の名残として数多くの温泉が湧いています。今回ご紹介する酸ヶ湯(すかゆ)温泉もそのうちの一つです。湯に酸味があるのが特徴で、日帰り、宿泊どちらも可能です。この記事では酸ヶ湯温泉と、酸ヶ湯温泉近くにある観光スポットをご紹介します。

【1】酸ヶ湯温泉

酸ヶ湯と書いて 「すかゆ」 と読みます。江戸時代から 湯治場 (病気やケガを治す目的で利用される温泉地のこと)として親しまれてきた酸性の温泉です。口に含むと 酸っぱさ を感じます。浴場は混浴、男湯、女湯の三種類用意されています。

写真:菊地早秋

混浴の大浴場は源泉の上に浴槽があり、まさに温泉が湧き出ている様子を楽しむことができます。浴槽は ヒバ(木の名前) を使った総ヒバ造りで、癒し効果などを得ることができます。湯の温度は建設当時から変わらない 41度 です。

写真:菊地早秋
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建物内は趣ある木造のデザインで、歴史を感じます。宿泊施設も兼ねているので、お部屋も多数あります。入浴後は 広いロビー、休憩室、ショッピングコーナー 等でゆっくり過ごすことができます。

【酸ヶ湯温泉/日帰り入浴情報】
●ヒバ千人風呂(混浴):7時-17時30分
●玉の湯(男女別):9時-17時
●料金:大人1,000円、小学生500円(貸しタオル付)

写真:菊地早秋

【2】鬼面庵(酸ヶ湯蕎麦)

「鬼面庵」と書いて「おにめんあん」と読みます。酸ヶ湯温泉と同じ敷地内にあるお食事処です。広いスペースとたくさんの座席が用意されていますが、人気で混雑します。こちらの名物は 酸ヶ湯蕎麦 です。事前に機械で 食券 を購入してから、席につくスタイルです。

写真:菊地早秋

酸ヶ湯蕎麦は、 つなぎ粉や添加物を一切使用しない ピュアなお蕎麦。細麺で歯切れよく、さっぱりとして食べやすいです。ミネラル豊富な冷たい八甲田の伏流水も使われています。 山菜蕎麦(760円) はキノコやタケノコなどが贅沢にのっています。

写真:菊地早秋
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数量限定の 蕎麦プリン(350円) は必ず食べたい絶品です。蕎麦茶の匂いがふわっと香る、滑らかで上品なお味。プリン自体にはほとんど甘さが付いていません。一緒についてくる蕎麦蜜をお好みの量かけて頂きます。

写真:菊地早秋

【3】鬼面庵・売店(生姜味噌筍おでん)

酸ヶ湯温泉と同じ敷地内にある 屋外売店 。【2】でご紹介した酸ヶ湯蕎麦・鬼面庵の売店です。 赤い旗 が目印です。

写真:菊地早秋

名物は 生姜味噌筍おでん(400円/3本) 。生姜味噌のかかった蒟蒻、タケノコ、つみれの3種類を頂けます。生姜が効いた味噌ダレが珍しい、人気のおでんです。

写真:菊地早秋

もともと生姜味噌おでんは、 青森駅周辺の屋台でできた とされています。寒さの厳しい冬、船に乗り込もうとするお客さんの体を少しでも温めようと、ある1軒の屋台の女将が味噌に生姜をすり下ろして入れたのが始まりとされています。

【4】酸ヶ湯薬師

酸ヶ湯温泉から徒歩すぐの場所にある小さな神社です。 医薬の仏様である薬師様 が祀られており、住所と名前をお伝えするとそのご利益が増すとされています。実は酸ヶ湯温泉の浴室内にも神棚があり、薬師様が祀られているそうです。

写真:菊地早秋

神社ですが 本当に小さく 、鳥居をくぐって木々の間を少し歩くとすぐに建物が見えてきます。筆者が訪問した際はたまたま扉が開いていて、ちょうど供養が始まるところでした。

写真:菊地早秋

【5】東北大学植物園・八甲田山分園

一般の方も入園可能 で、簡単な自然散策にぴったりの植物園。酸ヶ湯温泉から徒歩約3分で到着です。 約30分程度 あれば見学できます。2004年「東北大学理学研究科附属八甲田山植物実験所」を改称して発足した分園です。

写真:菊地早秋

園内は植物との距離がとても近く、冒険心をくすぐる工夫がなされています。植物には小刻みに ネームプレート が添付されていて、名前が分かるようになっています。八甲田山の高山植物 約600種類 があるそうです。

写真:菊地早秋
写真:菊地早秋

順路の後半には流れのある川を渡る スリリングな短い橋 もあって、全体的に飽きない散策路です。冬季(11/1~5/30)は閉鎖されます。

写真:菊地早秋