星河の社食で結と代理のマユ毛男が一緒に働いてるシーンがありましたね。結が育休から戻るにあたって、その雇用を案じていた人ですが、普通に2人で働いてる。じゃあ、あの案じていたシーンはなんだったのか。

 ドラマが社会問題を扱うとき、普通は、そのテーマを登場させて、そのドラマなりの思想を物語として表現するものです。そうして投げかけられた思想に対して、賛否両論があってもいい。

『おむすび』は、投げかけないんですよね。今回も育休制度についてテーマにしたかと思ったら、何事もなかったかのように2人で働いている。

 夫婦別姓問題もそう。米田か四ツ木かでモメたと思ったら、別にいいや、となってる。重症妊娠悪阻もすぐ治まる。規格外野菜も、もっとも問題になるはずの仕入れの段取りをすっ飛ばしてる。

 問題意識を持っています、というポーズだけ取って、中身が何もない。

 なんだか今日は、今までにも何回かあった、どよーんとしちゃう回だったな。このドラマを作ってる人たちが、タッチパネルの前でどうしたらいいかわからなくて困り果てている老人みたいに見えてきちゃった。震災にしろギャルにしろ社会問題にしろ、やりたいことはわかるんだわ。でも、そのやり方では一生できないんだわ。

 やるせないわ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)