第77回、および昨日の第76回を振り返りましょう。

それでも昨日はよかった

 結(橋本環奈)が外れることになって、ちょっとした浮遊感が生まれていたんですよね。震災、栄養士という設定と橋本環奈という存在が、やっぱり『おむすび』にとっては重石になっていたんだと感じたんです。

 だからけっこう、機嫌よく見られたんです。あれ、意外に楽しくなるのかなと思ったの。

 ルーリー(みりちゃむ)が109のギャルをディスってるときも、そうそうわかるわかるって思ったんですよ。なんかスカしてんだよな、むかし知り合いの彼女でマルキューのマリー・クワントで働いてる子がいたけど、なんかろくに知り合ってもいないのに「AKIちゃんさんっていい人ですよね? 私そういうのわかるんです」とか言ってきたり、店長だかなんだか知らないけど自分の役職を「SD」とか言ってたり、いけ好かない感じだったのよ。ルーリーとノリが合わないのもよくわかるよ。大阪のほうが合うでしょ、ルーリーってマリー・クワントよりクワバタオハラのほうが好きそうだもんなー、なんてほのぼのした気持ちで見ていたわけです。

 ママ(麻生久美子)がルーリーの居候をあっさり認めるくだりも、結がいなくなってブログネタに困ってたところだろうとか、思いのほか物語がすんなり頭に入ってきて、自分でも少し驚いていたんです。こんなもんでいいんじゃないの? 震災についてひとしきり語り尽くした(語り尽くしてはねーけどな!)後の延長戦としての『おむすび』は、こんな感じで明るく楽しく進んでいくのかなと、淡い期待を寄せていたの。

 で、今日の第77回ですわ。冒頭からあの辛気臭い震災語りが戻ってきたかと思ったら、意味不明なファッションショーが始まる。アユ(仲里依紗)もノリノリで参加してたくせに、今度はすぐ不機嫌になって周囲に気を使わせる。せっかく結という「気を使わせ魔人」がいなくなったと思ったら、姉ちゃんに乗り移っとるやんけ。それをやりたいならファッションショーの一連はノイズでしかない。あれ単体では別に楽しかったのに、自らその楽しさを踏み潰していく。