挙句の果てに、不機嫌な理由は「アキピーは仮設に暮らしてる」からだという。「今を楽しめない人はどうしたらいい?」「そういう人に、ギャルだから前を向けなんてさ、私は言えないよ」。

 昨日、『おむすび』の震災との向き合い方の総括として、多くの被災者を一人ひとりの人間ではなく「かわいそうな人のかたまり」と認識していることが最大の問題だったと書きました。だから全部が他人事で、誰にも寄り添ってない。

 またこれなんですよね。仮設で暮らしている人は全員、ひとり残らず「かわいそうだ」と言っている。「前を向けない人だ」と決めつけている。楽しいことなんてひとつもないと思ってる。実に不遜なレッテル貼りですよ。同じ人間だと思ってない。何食ってたら、こんな失礼な発想が出てくるんだろうと思うよ。

 だいたい、アラサーのいい大人が震災から1年もたって「どうしたらいいかわからない」なんて言ってるのに無理があるんですよ。せっかく友達も被災地にいるんだから、行けばいいじゃん。迷わず行けよ、行けばわかるよ。マキちゃんの墓参りの件もそうだけど、アユのこの「行けばいいのに行かない」という行動原理は、どういう心理的裏付けでもって作られてるんだろう。マジで意味わからん。アスカの電話とメールを無視してた意味もわからん。なんにもわからん。

 あとチャンミカとアユは、結たちが神戸に来る2年前に古着屋の仕入れ倉庫でばったり会って、夜通し語り合ってそのマキちゃんの墓参りに初めて行ったという話でしたけど、東京の読モ時代って何? いい加減にしていただきたい。こういう明らかな脚本ミスについてはもう面白おかしくツッコミを入れて笑い飛ばしたいのに、いちいち登場人物の不可解で不快な行動原理と震災を抱き合わせで突き付けられるから、マジで怒らなきゃいけなくなる。めんどくさい。

 あとなんだっけ、商店街の一角を潰してショッピングセンターを作るんだっけ。ナベの土地を買い取ったら作るって? これは持ち前の社会常識のなさの発露ね。誰がそんなめんどくせーことするのよ。どんな規模なのよ。こんなの天下のイオン様が郊外にデカいのドカンと作って一網打尽よ。これも「商店街vsショッピングセンター」という記号を置きたいだけなのに、その初っ端の置き方からして失敗してる。いったい何ができるんだよ、おまえたちは。

もうちょっとついでに言っとこう