物価自体は上昇していますが、その勢いは一時期と比べて鈍くなっています。国はデフレ経済からの脱却を目指し、年率2.0%の物価安定目標を掲げていますが、現状の日本経済はおおむねその目標に近づいてきています。
毎年2.0%ずつ物価が上昇していくならば、大ざっぱにいえば支出も2.0%ずつ増えていくことになります。そのため、2025年も今まで同様、お金の使い道を考えながら家計運営をしていく必要が出てくるでしょう。
支出は大きなものから見直すことが賢明といえます。なぜならば、大きな金額であればあるほど、家計の改善効果が高まるからです。
また、支出の見直しは資産との関連を意識しながら行うとよいでしょう。例えば、「保険への加入は最低限にし、余ったお金は何らかの資産形成に回す」といった視点です。
これについての特に重要な考え方は、「物価上昇期には掛け捨ての保険に入らない」ということです。物価が上がるとお金の価値が目減りするため、約束されている給付金や保険金の価値が下がることには注意しましょう。
(3)資産
物価が上がることは、モノの価値が高まるということです。株式や金、不動産などは「モノ」であるため、これらを基に資産形成を行うと、資産がより増える可能性が高まります。
近年は、iDeCo(個人型確定拠出年金制度)やNISA(少額投資非課税制度)を活用した資産形成が推奨されていますが、物価上昇期には特に、現金価値の目減りを抑えることが資産形成の意義であるとされます。そのため、リスク許容度に応じて資産形成を行っていくようにしましょう。
ただし日本においては、日本銀行が追加利上げを行う可能性が高まっています。投資対象によっては、金利が上がると資産価値が下がるものもあるため、注意が必要です。