◆いくつであっても、新しい習い事にチャレンジしよう
ダンスやバレエをやる熟年世代で、「若い人のように、振り付けがすぐに覚えられない」と悩む人は多い。特に、子どもたちは驚異の速さで振り付けを覚えていくので、その差に愕然とすることもあるだろう。
実は、振り付けを覚えるのには、「小脳にパッケージ化された一連の動き」を豊富に持っていることが大事なのだ。外国語で言えば、慣用句に当たる。
たとえば、ワルツでは、「ナチュラルターン~スピンターン~プロムナードポジション~ウィーヴ~シャッセ」という一連の動作があるのだけど、44年も踊ってると、何も考えずに、ドアを開けるような自然さで、一連の動作がいつの間にか終わる。これが、小脳のパッケージ化だ。
経験豊富なダンサーたちは、このようなパッケージを山ほど持っていて、その組み合わせで、振り付けを覚えてゆく。だから、3分の振り付けをほんの2~3時間で作って、覚えきることができるのだ。そして、若い人たちは、「大脳で考えて踊る」を小脳のパッケージに変えるまでの時間が短いのである。
大人の習い事では、時間をかけて、パッケージ化していくわけだけど、私は20代に踊っていたころより、60代の今の速度のほうが好きだ。
気の合う(身体の合う)男子と、初めての技を何度も何度も踊っているうちに、自然な流れになっていくのを味わうのが、私は何より好き。初めて、ぴったり合ったときの浮遊するような快感も、二人でハイタッチして気分アゲアゲになるあの感じも最高。
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